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若さを保つための霊薬「金のエリクサー」で中毒死したフランス王アンリ2世の愛人


フランス王としての業績よりもカトリーヌ・ド・メディシスの夫として知られ、歴史の中で脇役として扱われがちなアンリ2世(1519-1559)ですが、結婚前の10代のころから家庭教師であったディアーヌ・ド・ポワチエ(1499-1566)と長く愛人関係にあり、王妃とは不仲であったといわれています。

その愛人ディアーヌはアンリ2世より20歳も年上でありながら同じ年齢に見えるほどの若々しさと、陶器のような白い肌で知られていましたが、ディアーヌが美容のために飲んでいた塩化金とジエチルエーテルから成るエリクサーが結果的には彼女に中毒死をもたらしたことが最新の発掘調査により明らかになりました。

詳細は以下から。French king's mistress poisoned by gold elixir - Telegraph

32歳のころに12歳のアンリ2世の家庭教師となり、その約7年後に愛人関係となったと推測されるディアーヌは、60代であった晩年も宮廷人から「30歳のころと変わらぬ美しさで、肌は雪のように白い」とたたえられていました。当時の宮廷の女性としては珍しくアウトドア派で、乗馬や狩猟、居城の近くの川で日常的に泳ぐことにより体形を保っていたそうです。しかしその美しさの秘密は何よりも、毎日飲んでいた金のエリクサーでした。これは塩化金をジエチルエーテルに溶かした黄色い液体で、クモの巣やミミズ、カエルの卵やサソリの油を使った霊薬と同様に、不老の霊薬として当時の薬売りが売り歩いていたものです。

フランスの科学者らによる最新の発掘調査により、このアンチエイジング薬による中毒が彼女の死因であることが明らかになりました。この調査結果はBritish Medical Journal誌に発表されています。

3人の科学者が昨年ディアーヌの遺骨を発掘し、そのあご骨の形状が肖像画と完ぺきに一致し、脚の骨に残る骨折の跡が乗馬中の事故の記録と一致することを確認しました。

ディアーヌ・ド・ポワチエの肖像


ディアーヌが晩年を過ごしたドルー近郊のアネ城には、彼女の遺髪が保管されています。科学者らはこの髪の毛を分析し、通常の人間の髪の500倍もの金を含有していることを発見したほか、「純化剤」として金の霊薬に使われていた水銀も検出しました。

ディアーヌは王妃ではなく冠をかぶってはいなかったことから、装身具による汚染の可能性は除外できるとのことです。


普段はパリ市内にある病院の死体保管所で働く科学者のPhilippe Charlier氏は同僚のJoel Poupon氏と共に、昨年発掘されたノルマンディーの墓地でディアーヌを特定しました。

「彼女の髪の毛は通常よりはるかに細く、これは慢性的な金中毒の二次的効果です」とCharlier氏。「金中毒は(貧血により)白い肌、もろく繊細な髪・骨・歯をもたらします。彼女は死の直前にはひどく虚弱だったはずです」

アンリ2世の死後、ディアーヌはその妻カトリーヌ・ド・メディシスにより宮廷から追放され、アンリ2世の生前に贈られたアネ城へ移りました。1566年に亡くなった後は城内に建てられたチャペルに埋葬されましたが、その墓はフランス革命時に暴かれ、遺体は城壁の外の共同墓地へ投げ捨てられました。今回発掘されたのはこの共同墓地で、ディアーヌのものと特定された遺骨は彼女の本来の墓に来年安置される予定とのことです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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