ゴージャスで目立ちまくる「黄金の額縁」はどのように作られたのか?額縁から分かる美術の流れ


絵や写真を飾るための額縁は、本来は絵そのものを傷つけずに壁に飾るという機能的なアイテムで、「絵を引き立てるための影の存在」のはずですが、現在では「道具」であるはずの額縁自体にさまざまな装飾が施されています。フランスでは特に中世からゴージャスな金色の額縁が作られてきましたが、展覧会が行われるほど変化してきた額縁にはどのような歴史があるのか、Hyperallergicがまとめています。

A French History of Gold, Gilded, and Fancy Frames
http://hyperallergic.com/238927/a-french-history-of-gold-gilded-and-fancy-frames/

アメリカ・ロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館で行われた額縁の展覧会の様子は以下の通り。灰色の壁にゴージャスで立体的な金色の額縁だけがズラリと並んでいます。


壁に飾られた額縁は「ルイ様式」と呼ばれるもの。フランスでは17世紀から18世紀にかけて、ルイ13世ルイ14世ルイ15世ルイ16世の4人が統治を行ったのですが、この時代に金箔が貼られた「黄金の額縁」が作られるようになりました。


1610年から1792年にかけて、フランスでは芸術の持つ様式やテイストが大きく変化しており、その変化は額縁を通して確認することができます。


例えば、ルイ13世はイタリア様式の額縁を好んだのに対し、ルイ14世はできるだけ精密な彫刻を施した金色の額縁を好みました。また、太陽王と呼ばれたルイ14世は王国の最盛期を作った派手好きの王だったので、額縁も華やかなものを好んだと言われています。続くルイ15世の時代、額縁の装飾は少し控え気味になったものの、それでもやはり彫刻などが施されていました。そして、最終的にフランス革命で処刑されることとなったルイ16世は美術的な荘厳さをあまり好まなかったそうです。


1723年、ルイ15世の統治時代初期に描かれた絵画とその額縁。荘厳なバロック調の雰囲気を残しており、ゴージャスな額縁です。


これもルイ15世の統治時代に描かれたものですが、1739年から1741年の作品と見られており、かなり額縁が曲線的に変化してきていることが分かります。15世の時代はロココ調が流行し、貝殻や宝石を使った、曲線的な額縁が作られるようになりました。


フランス革命が起こり、一時は忘れられたゴージャスな額縁ですが、19世紀に入りナポレオン統治の時代になると、ルイ15世様式が再度注目を浴びるようになります。そして19世紀終わりには、アカンサス葉飾りが付いたフラットなイタリア様式の額縁など、ルイ13世からルイ16世の時代に流行した額縁が「ルイ様式」として印象派の人々に使われるようになることで、現在でも使われている「黄金の額縁」が世間に定着したわけです。


額縁は絵を固定するためのものなので、本来であれば「目立たない」ことが最も優れた額縁での条件になります。しかし、ルイ様式の額縁は絵と密接に関係するため、美術館では「正しい額縁に絵画を飾る」ことを試みているとのこと。「額縁は絵の展示に不可欠なものですが、とりわけ1900年以前に描かれた絵画は額縁1つで絵画の視覚的なインパクトを変えてしまうため、非常に重要なものとなってきます」とJ・ポール・ゲティ美術館のダビデ・ガスパロットさんは語りました。

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in アート, Posted by logq_fa