デザイン

近未来的フォルムの1958年製HDテレビ


このテレビ「Teleavia type P111」は1958年フランス製、SF映画に出てきそうな近未来的デザインも印象的ですが、走査線819本を誇る世界でも最初期のHDテレビだというから驚きです。

この貴重なテレビが、テレビ史の第一人者で複数の著書も持つMichael Bennett-Levy氏のコレクションの目玉として9月30日にロンドン・ナイツブリッジBonhamsで開催されたオークションに出品されました。

詳細は以下から。Teleavia type P111 - high definition TV circa 1958

「Teleavia」はフランスのトムソン社による斬新なデザインのテレビのブランドで、モダン・デザインの象徴としてMoMAなどの美術館に収蔵されているほか、現在もコレクターの間で高い人気があります。

フランスでは1949年末に走査線数819本の世界初のアナログハイビジョン放送が導入されたのですが、この高画質放送(816x737ピクセル相当、アスペクト比4:3)に当時のテレビの画質が追いついていなかったため普及せず、1984年にこの規格の放送は廃止された経緯があります。「Teleavia type P111」は当時ハイビジョン放送を高画質で受信することができた数少ない機種の一つで、走査線441本(1952年から標準となった放送規格)でも表示することができます。

シトロエン・DSで知られるフラミニオ・ベルトーニによるデザイン。画面サイズは19インチで、150度回転することができます。


フラミニオ・ベルトーニはイタリア人のデザイナー・彫刻家ですが、シトロエンを始めとし主にフランスで活躍しました。戦中もイタリアと敵対関係にあるフランスで自動車開発にかかわっていたそうです。

代表作である1955年発表のシトロエン・DS(この写真の車は1974年式です)


「Teleavia type P111」のコントロール部。最近では見る機会の少なくなったダイヤル式です。


「私はコレクターではなくディーラーです」と語るMichael Bennett-Levy氏は今までに4台の「Teleavia type P111」を所有したことがあるそうです。「Historic Televisions and Video Recorders」「TV is King」などの著書があります。


このテレビは2400ポンド(約34万円)で落札されたとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ピカソにインスパイアされて製作された車 - GIGAZINE

アメリカで年代ごとに何インチのテレビが多く売れたのか表したグラフ - GIGAZINE

2008年のパリモーターショーで発表された車の近未来的デザインな車のダッシュボード - GIGAZINE

映画に出てきそうな地下データセンター - GIGAZINE

in デザイン, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.