メモ

カリフォルニアの観光名所に展示されていた絵画がナチスの略奪品と判明、ホロコースト犠牲者の子孫に返還されることに


映画「市民ケーン」のモデルとなった新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストがカリフォルニア州サン・シメオンに建てた広大な城「Hearst Castle(ハースト城)」は、現在では州によって管理されアメリカ合衆国国定歴史建造物の一つとなっているのですが、そのハースト城の壁に飾られていた16世紀の絵画3点が第二次世界大戦中にナチスがユダヤ人美術商から不当に購入したものだと明らかになり、そのうち2点が子孫に返還されることとなりました。

詳細は以下から。Holocaust heirs getting Hearst Castle paintings

ハースト城内部。


ベルリンで画廊を営んでいたRosaとJakobのOppenheimer夫妻は、1930年代にナチスの台頭を受けて財産を手放しドイツからフランスへ脱出したものの、Jakob氏はニースで1941年に、Rosaさんは占領ドイツ軍により強制収容されたのち1943年にアウシュヴィッツで亡くなりました。この3点の絵画も夫妻がドイツ脱出の際に不当に安い価格で売らねばならなかったもののようです。

新聞王ハーストは1935年にこれらの絵画を購入したのですが、絵画が売りに出た経緯は関知していなかったとのことです。それから70年以上を経た2007年3月、ハースト氏の死後ハースト城とともに絵画を譲り受けたカリフォルニア州に対しオッペンハイマー夫妻の相続者の代理人が問い合わせたため、2年間の調査ののち夫妻の相続人であるフロリダ州在住のPeter Bloch氏とブエノスアイレス在住のInge Blackshearさんに返還されることとなったそうです。

返還される絵画は「ひげの紳士の肖像」と呼ばれ、Giovanni Cariani作とされる本を持った男性の肖像画と、ティントレット派によるベネチア貴族Alvise Vendraminの肖像画の2点。もう一点のParis Bordone派の作品「ヴィーナスとキューピッド」もオッペンハイマー夫妻のものだったのですが、ハースト城に残り、ほか2点の複製とともに今までどおり展示されるとのことです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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