世界中にいろいろな損害を与えている侵入生物5種
もともと生息した地域から別の地域に運ばれ、そこでも定着した生物種を「侵入生物(Invasice Species)」と呼ぶそうです。侵入生物はもとからいた生物に影響を与えることが多く、たとえば日本では、ブラックバスやブルーギルなどの外来種が在来種減少の一因になっていたり、ハブ退治のために導入したマングースが希少種のアマミノクロウサギを捕食する害獣となったりしています。
今回はそんな侵入生物の中でも他の種を危機に追い込むようなものを紹介します。
詳細は以下の通り。
The 5 Worst Invasive Species in the World
◆野生のブタ
家畜として世界中に広まったブタは植物を根こそぎ食べてしまうため、他の草食動物に影響を与えたり、耕地を荒らしたりして年間何百万ドルもの損害を与えたりします。また、固有種に大きなダメージを与えることもあり、たとえば、ガラパゴス諸島のサンチャゴ島では野生化したブタがウミガメの産卵場所を破壊したり、卵を食べたりしたために、ウミガメの数が劇的に減少したこともあります。
◆クマネズミ
クマネズミはインドあたりが原産で、世界の至る所に広まりました。直接的・間接的に数多くの鳥や植物、小型ほ乳類の絶滅を引き起こし、ハワイなどの島では海鳥が信じられないほど減った原因となりました。
◆カワホトトギスガイ(ゼブラ貝)
貨物船の重しとして使われるバラスト水を介していろんな水生生物が輸送されることがあり、その中でヨーロッパから北米に運ばれて大きな害になったのがゼブラ貝。五大湖周辺の発電所などの取水口をふさいで運転停止を招いたことで有名です。もともと西アジアが原産で、1700年代初頭にヨーロッパに広まり、バラスト水によって北米に運ばれたのは1980年代半ばと考えられています。在来種とエサを取り合って被害を与えるほか、ボートにトラブルを引き起こすことも。
◆ヒキガエル
中央アフリカ原産でほとんどの昆虫を食べるヒキガエルは、さとうきび畑の害虫駆除のためにハワイやフロリダ、オーストラリアに広まりました。しかし、ヒキガエルは在来種とエサを取り合う上に、頭の後ろから毒液を出すために捕食者を死に至らしめることもあって、駆除がとても難しい。
◆ヨーロッパアナウサギ
ヨーロッパアナウサギはピーターラビットのモデルになっており、あまり害になる獣だという認識はないのですが、オーストラリアやニュージーランドでは完全に害獣扱い。1859年にトーマス・オースティンという男がオーストラリアに移住したとき、週末にハンティングを楽しもうと24匹のウサギを持ち込んだらしく、それがやがて野生化、天敵がいなかったために数を増やしたそうです。いくつかのほ乳類絶滅の原因となったほか、農地を荒らして毎年何百万ドルもの損害を与えています。
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