現代の若者は昔の若者よりも速く生物学的に老化している、がん発症率の増加にも関連している可能性

近年は若者のがん発症率が増加していることが相次いで報告されており、世界的に重要な課題となっています。アメリカのワシントン大学などの研究チームが行った研究では、現代の若者は昔の若者よりも速く生物学的に老化しており、これが若年層のがん発症率の増加にも関連している可能性があると示されました。
Biological aging and generational shifts in early-onset cancer risk | Nature Medicine
https://www.nature.com/articles/s41591-026-04448-w
Faster aging in younger generations linked to rise in early-onset cancer – WashU Medicine
https://medicine.washu.edu/news/faster-aging-in-younger-generations-linked-to-rise-in-early-onset-cancer/
Younger Adults May Be Aging Faster Than Previous Generations : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/younger-adults-may-be-aging-faster-than-previous-generations
がんは細胞のDNAに重大な損傷が蓄積し、制御不能なレベルで増殖・分裂することによって発症します。DNA損傷の原因には食事・空気・日光への暴露などがあり、長く生きるほどこれらの損傷が蓄積する可能性が高まるため、一般的に年齢を重ねるほどがんリスクが高まるといわれています。
ところがここ10年ほどの研究では、若い世代におけるがんの発症率が急激に上昇していることが報告されています。2025年の調査では、1980年代~1990年代に生まれたミレニアル世代は親世代が同じ年齢だった頃に比べ、一部のがんリスクが高いことが示されました。
がんリスクに影響を与える要因としては、肥満・代謝異常・アルコール摂取・運動不足・食生活などさまざまなものがありますが、個々の要因による影響は限定的です。そこで、ワシントン大学医学部の分子疫学者であるイン・カオ准教授らの研究チームは、実年齢ではなく生理学的な生物学的指標であるバイオマーカーに基づいた「生物学的年齢」に着目しました。

研究チームは、イギリスの大規模バイオバンクであるUKバイオバンクに登録している15万4169人の成人から採取した血液マーカーを使用し、「1950年~1954年に生まれた人々」と「1965年~1974年に生まれた人々」を比較しました。また、アメリカの健康研究プログラムであるAll of Usに参加している「1965年~1969年生まれの人々」と「1990年~1999年生まれの人々」についても調査しました。
研究チームが用いた主な指標のひとつが、炎症マーカーであるCRP・グルコース・クレアチニン・アルブミン・白血球など9つのバイオマーカーに基づいた生物学的年齢の指標「PhenoAge」です。また、特定の臓器系に関連するタンパク質レベルを測定したデータを用いて、個々の臓器の生物学的老化についても推定したとのこと。
研究チームはこれらのバイオマーカーに基づいた生物学的年齢と、被験者の実年齢の差である「年齢差スコア」を算出。平均値からのばらつき具合を表す標準偏差を用いて、特定の年齢における被験者の年齢差スコアが平均からどれほど離れているのかを調べました。
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in 無料メンバー, サイエンス, Posted by log1h_ik
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