統計データに基づき「犬にとって最適なおやつ」を見つける

世界で最も足が速い犬種であり狩猟犬でもあるグレイハウンドにとって最適なおやつを見つけるために統計を活用した方法を、エンジニアのアダム・ウェスピザー氏が紹介しています。
Finding the Best Dog Treat with Statistics
https://www.wespiser.com/posts/2026-06-19-best-dog-treat.html
ウェスピザー氏は体高33インチ(約84cm)、体重83ポンド(約38kg)のグレイハウンド「ビーバップ」を飼っているそうです。ビーバップは噛むおやつや子どもが落としたピザ、小さなトレイに入ったキャットフードまで、さまざまなものをおやつと勘違いして食べてしまうため、「ビーバップが一番好きなおやつが何かわからなかった」とウェスピザー氏は記しています。

そこで、ウェスピザー氏は確率モデルのブラッドリー・テリーモデルを用いて、ビーバップが好きなおやつは何かを調べることにしました。ブラッドリー・テリーモデルを用いたものとして特に広く知られているのが、チェスやスポーツなどで用いられる、プレイヤーの実力を数値化する評価指標のイロレーティングです。
イロレーティングでは、プレイヤーが勝つと予想されるゲームに勝った場合、レーティングはわずかにしか変動しません。一方、負けると予想されるゲームに勝った場合、レーティングは大きく変動します。そのため、イロレーティングはゲームが継続的に発生し、レーティングを即座に更新する必要があるチェスのようなシステムのレーティングに適しているとのこと。ただし、ウェスピザー氏の実験はデータセットが小さいため、ブラッドリー・テリーモデルを直接適合させることにしたそうです。
実験ではラベルを付けた複数おやつを用意して、任意の2つを取り出して「ビーバップはどちらのおやつが好きか」を比べます。これを繰り返すことで、「ビーバップはどのおやつが一番好きか」を調べました。実験を行う前に、ウェスピザー氏は毎日23時にキッチンに行って2つのおやつを出し、「選択」と言ってビーバップにいずれかのおやつを選択してもらう工程を訓練しておいたそうです。訓練によりビーバップは2つのおやつのにおいをかぎ、どちらか選ぶことができるようになったとウェスピザー氏は記しています。

ビーバップに与えたおやつは以下の5つ。それぞれのおやつはサイズが異なりますが、分かりやすさを重視してサイズの違いは無視することにしたそうです。そのためサイズによる偏りが生じる可能性はあるものの、おやつをあげるのは夕食後(23時)であるため、ビーバップはほとんど満腹状態にあり、「サイズよりも味の好みを重視するはず」とウェスピザー氏は語っています。
おやつA:MON2SUN(鴨胸肉、牛皮)
おやつB:グリニーズ 歯みがきガム(成犬・超大型犬用)
おやつC:Pork Chomps(豚・牛・鶏風味の歯みがきスティック)
おやつD:MON2SUN(鶏むね肉、牛皮)
おやつE:Pur Luv Chicken(チキンジャーキー)
ウェスピザー氏はブラッドリー・テリーモデルを用い、各おやつがどの程度の頻度で選ばれた(勝った)かを記録しました。
結果をまとめたのが以下の図。ビーバップに選ばれた回数が多いほどおやつは青色に、選ばれた回数が少ないとクリーム色になります。おやつBとCはほとんどの勝負に負けている、つまりはビーバップには好まれていないおやつということになります。

ただし、ビーバップはウェスピザー氏の左手からおやつを食べることが明らかに多かったそうです。左手のおやつを選ぶ割合は実に71.4%。この理由について、ウェスピザー氏は「考えられる理由のひとつは、私のキッチンが左右非対称な配置になっていることです。左側は窓の扇風機に近い位置にあり、実験中に扇風機が作動していたことがありましたが、これは制御されていませんでした」と推測しています。

調査結果をまとめたグラフが以下。右に行くほど「ビーバップが好きなおやつ」ということになり、今回の調査対象となったおやつの中で最もビーバップが好むものは、おやつE(チキンジャーキー)でした。

さらに、結果がどの程度安定しているかを推定するため、ブートストラップ法も実行。結果は以下の通りで、各おやつが選ばれる確率はおやつEが63.3%、おやつAが33.1%、おやつDが3.6%、おやつBとCは0%となりました。

ウェスピザー氏は「おやつEとおやつAは僅差なので、次に行うべきはおやつE対Aの実験を繰り返すことです」と記しています。
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in 生き物, Posted by logu_ii
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