AI

不動産業者がAIで加工した物件画像が賃貸探しを混乱させている


生成AIを使って家具や内装を加えた不動産物件の掲載画像が増え、実際に内見すると写真とはまったく異なる部屋だったという事例が報告されています。見栄えを整えるための「バーチャルステージング」が、物件の欠点を隠したり、存在しない設備を加えたりする手段に変わりつつあり、賃貸物件を探す人の負担を増やしています。

Generative AI is cursing renters with the promise of impossible homes | The Verge
https://www.theverge.com/report/953888/ai-virtual-staging-real-estate-apartment-listings

ニューヨークで初めての一人暮らし用物件を探していたジョイス氏は手頃な価格の物件を見つけました。不動産業者のウェブサイトに掲載された写真には広く明るい室内や改装されたように見えるキッチン、暖炉が写っていましたが、念のために内見した部屋は写真よりはるかに狭く、キッチンの設備も異なり、暖炉もなかったとのこと。

ジョイス氏が内見した物件の実物写真がこれ。


そして、ジョイス氏がオンラインで閲覧した物件の写真が以下。ジョイス氏は「火気のあるガスコンロの上に鉢植えが置かれている」点に違和感を覚えたとのこと。また、実物と見比べると流しの大きさや蛇口、上の戸棚が異なることがわかります。


不動産業界では家具を配置した場合の見た目を示すバーチャルステージング自体は以前から使われてきましたが、AIの普及によって、実際の室内写真を基にしながらもっともらしい家具や設備を追加した画像を簡単に作れるようになっています。フロリダ州の不動産業者は、古い家具が置かれた住宅をAIで現代的な内装に変えた画像を顧客に見せ、改装後のイメージを伝える用途で使っていると説明しています。

一方で、家具の配置例を示すことと物件の実態を誤認させることは別問題です。実在しない暖炉を追加したり、傷や穴などを消したりすれば、借り手や買い手は実物と異なる条件を前提に問い合わせや内見をすることになり、不動産業者自身も法的リスクを抱えることになります。


ニューヨークで物件を探した人の間ではジョイス氏のほかにも、AIで加工されたとみられる掲載画像に鉢植えの植物が不自然に多いことや、家具の細部に違和感があることなどが見分ける手掛かりとして語られています。しかし、画像の全体像は本物らしく見えるため、借り手は掲載写真の細部を確認し、内見前から画像が実態を反映しているか慎重に判断しなければならなくなっています。

こうした中、AI使用に規制をかける動きも始まっています。ニューヨーク州では広告におけるAI利用の開示を求める法律が施行されましたが、主な対象は「人物」であり、家具や内装の生成には十分対応していません。カリフォルニア州ではさらに一歩踏み込んで、不動産の広告画像をAIで変更または補強した場合にその事実を明示することを求める法律が導入されています。

また、掲載文にもAIの影響は及んでいます。ジョイス氏は物件説明に「魅力的」「居心地がよい」「スパのような仕上げ」といった表現が繰り返し使われていると指摘しており、画像だけでなく文章も含めて、AIによる過度な演出が物件探しの判断を難しくする懸念が強まっています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
文学賞受賞者のAI使用疑惑を受けて受賞作品を掲載していた文芸誌が「編集権のない出版提携から撤退する」と発表 - GIGAZINE

何千万もの楽曲がAIのトレーニングに利用可能なデータセットとして配布されておりAI生成楽曲の肥やしになっているとの指摘 - GIGAZINE

AIで女性を裸にしてしまうヌード化ツールがXアカウントで宣伝されている - GIGAZINE

「AIにより雇用が崩壊することはない」と経済学者が語る - GIGAZINE

SF作家のテッド・チャンが「AIは意識を持っていると考えるべきではない」と語る - GIGAZINE

AI生成テキストからAI臭さを取り除いてより自然で人間らしい文章にするClaude CodeとOpenCode向けスキル「Humanizer」 - GIGAZINE

in AI, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article AI-generated property images used by rea….