サイエンス

古代ローマの人々は「鉛で汚染された風呂」に入っていた可能性


古代ローマは北アフリカからヨーロッパにまたがる非常に広大な領土を支配し、高い技術力を持っていたことで知られており、多くの都市に公衆浴場が設置されていたこともわかっています。ところが、古代ローマの都市・ポンペイにあった初期の風呂を調べた結果、当時の風呂の水はなかなか交換されず、人々が鉛に汚染された風呂に入っていた可能性があると判明しました。

Seeing Roman life through water: Exploring Pompeii’s public baths via carbonate deposits | PNAS
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2517276122


'Not very inviting': Pompeii bath facilities may have been filthy with lead-contaminated water | Live Science
https://www.livescience.com/archaeology/romans/romans-regularly-soaked-in-filthy-lead-contaminated-bath-water-pompeii-study-finds

公衆浴場はローマ文化において重要な存在であり、人々はかなりの長時間を浴場で過ごし、重要な社交の場にもなっていました。古代ローマの拡大に伴って入浴文化も進化し、最盛期には入浴などに使う水を運ぶだめの長大な水道橋も建設されました。


しかし、水道が設置される前の公衆浴場では使える水にも限りがあったため、風呂の水は決して新鮮で清潔なものではなかったとのこと。ポンペイに水道が建設される前の紀元前130~30年ごろに使用されていた初期の公衆浴場では、井戸や貯水槽からくみ上げた水を奴隷が単一の揚水機で供給していたそうです。

ドイツにあるマインツ大学の考古学者であるギュル・シューメリヒンディ氏は、「水は1日に1回しか補充できませんでした。このような状況では、特に入浴用の水が補充される前は水質が劣悪になると考えられます」と述べています。


シューメリヒンディ氏らの研究チームは、ポンペイで使われていた初期の公衆浴場の水質を調べるため、沈着した炭酸カルシウムのサンプルを調査しました。炭酸カルシウムは硬水中のカルシウムイオンが炭酸イオンと反応することで作られ、湯沸かし器やボイラー、配管などに白っぽくて硬い沈殿物として蓄積します。

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in 無料メンバー,   サイエンス, Posted by log1h_ik

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