軍神マルスに敵打倒を願う「呪いの鉛板」がローマ時代の墓地から見つかる
フランス・オルレアンで18世紀の病院跡の発掘調査が行われ、フランスがローマ領だった時代の墓地に埋葬された60体近い遺体と、ラテン語とガリア語が刻まれた鉛板が見つかりました。鉛板は、戦いの神として知られるマルスに捧げたもので、刻まれた名前の相手を呪ったものだと考えられています。
Opération archéologique de l'hôpital Porte Madeleine
https://archeologie.orleans-metropole.fr/actualites/dernieres-actualites/operation-archeologique-de-lhopital-porte-madeleine
Les tablettes de malédiction découvertes à Orléans, sur le site de Porte-Madeleine, lors des fouilles, livreront-elles leurs secrets ? - La République du Centre
https://www.larep.fr/orleans-45000/actualites/les-tablettes-de-malediction-decouvertes-a-orleans-sur-le-site-de-porte-madeleine-lors-des-fouilles-livreront-elles-leurs-secrets_14622355/
Curse tablet found in Roman-era grave in France targets enemies by invoking Mars, the god of war | Live Science
https://www.livescience.com/archaeology/curse-tablet-found-in-roman-era-grave-in-france-targets-enemies-by-invoking-mars-the-god-of-war
発掘を担当したオルレアン考古学局によると、墓地は1世紀から3世紀初頭にかけてのローマ時代のもので、「遺体が一列に埋葬されている」「女性や子どもはいない」「木製の棺に彩色の跡がある」「遺体が火葬されていない」など、当時としてはかなり変わった墓地だとのこと。こうした特徴を示していることについて、オルレアン考古学局は、被埋葬者らが同じ職業など、特定グループに属していた可能性を指摘しています。
また、この墓地では21枚の「鉛板」も見つかりました。鉛板そのものは、古代地中海世界の各地で見つかっているのと同様のものだとのこと。
墓地のうち、F2199番の墓に埋葬されていた男性の場合、両足の間に鉛板が置かれ、横には砕けた花瓶と数枚のコインがありました。
鉛板はラテン語とガリア語で文字が刻まれた上で、折りたたんで巻かれていました。
損傷しないように内容を読み取ったところ、鉛板は軍神マルスに捧げられたもので、刻まれていたのは不当な行為で呪いの対象となる数人分の名前だったことがわかりました。
発掘作業は2025年1月末で終了し、以後、発見した資料の分析が進められることになっています。ガリア語はケルト語に属する言語の1つで、6世紀ごろに使われなくなった言語であり、他の鉛板から貴重な用例が見つかることが期待されています。
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in サイエンス, Posted by logc_nt
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