次世代核融合炉「SPARC」のAIデジタルツインを構築し商業化への取り組みが加速、Commonwealth Fusion SystemsがNVIDIA・シーメンスと提携へ

核融合関連スタートアップのCommonwealth Fusion Systems(CFS)が、NVIDIAおよびシーメンスと提携し、2027年に稼働が予定されている実証用核融合炉「SPARC」の設計・開発をAIシステムで加速するデジタルツインを構築すると2026年1月6日に発表しました。また、SPARCに最初の磁石を設置したことも明らかにしています。
How NVIDIA AI and simulation libraries and Siemens tools can accelerate fusion energy | The Tokamak Times
https://blog.cfs.energy/how-nvidia-ai-and-simulation-libraries-and-siemens-tools-can-accelerate-fusion-energy/
CFS delivers its first fusion magnet — a stronger, smaller design | The Tokamak Times
https://blog.cfs.energy/cfs-delivers-its-first-fusion-magnet-a-stronger-smaller-design/
Our first completed magnet for SPARC could lift an aircraft carrier - YouTube

SPARCはCFSがマサチューセッツ工科大学プラズマ科学核融合センターと共同で開発しているトカマク型の核融合炉で、従来のトカマク型核融合炉よりもコンパクトでありながら、出力エネルギーが核融合を起こすために必要な入力エネルギーを越える「ブレークイーブン」の達成が期待されています。
CFSによると、2025年12月にマサチューセッツ州にある工場から24トンの磁石をSPARCに搬入したとのこと。SPARCにはプラズマを閉じ込めるために高温超伝導磁石が使われる予定で、CFSが開発するTF磁石は高温超伝導体を注入した平らな鋼板を16枚積み重ねることで製造されます。この磁石は4年かけて開発され、2025年にようやく量産体制が整ったとのこと。

SPARCに必要な高温超伝導磁石は18個で、今回設置されたのは最初の1個に過ぎませんが、CFSの最高科学責任者兼共同創設者であるブランドン・ソルボム氏は「私たちはただ一つの磁石を作ったわけではありません。非常に多くの磁石を製造できる製造施設を作り上げました」と語り、大きな成果だとしています。

そして、NVIDIAとシーメンスとの提携は、NVIDIAのAIとシミュレーションライブラリ、シーメンスの設計およびエンジニアリング知識を活用し、SPARCとそのコンポーネントを迅速に設計、製造できるようにするシステムの構築が目的です。
SPARCが稼働すると、温度変化によって磁石を含めた部品が膨張・収縮し、それに応じて部品のズレや歪みが生じます。そこで、CFSはシーメンスのツールで設計および製造プロセスを改善し、NVIDIAのOmniverseライブラリとOpneUSDフレームワークで物理的に正確なSPARKのデジタルツインを構築して製造プロセスの検証を実施します。デジタルツインには核融合のシミュレーションに用いるAIモデルも組み込まれるとのこと。
CFSは、設計段階から綿密にシミュレーションを行うことで、SPARCのすべての部品が組み立て時と運用時の両方で確実に組み合わさるように細心の注意を払って確認することができると述べています。

CFSは「エンジニアリングからシミュレーション、そして運用に至るまで、今日のデジタルツールは大きく様変わりしています。科学者やエンジニアにとって、これらのコンピューティングシステムを流れるデータは、磁石の中を流れる電子と同じくらいリアルなものです」と語りました。
なお、CFSは、SPARC内での核融合反応をAIでシミュレートできるシステムの構築を目指すため、2025年10月にGoogle DeepMindと提携することを発表しています。
オープンソースプラズマシミュレーター「TORAX」で核融合エネルギー開発を加速するためGoogle DeepMindとCommonwealth Fusion Systemsが提携 - GIGAZINE

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