AMDの最初のCPUはIntel 8080の顕微鏡写真をもとにリバースエンジニアリングしたものだった

AMDとIntelはCPU市場でしのぎを削るライバル関係にあります。実は、AMDの最初のCPU製品である「Am9080」はIntelの「Intel 8080」をリバースエンジニアリングして開発されたものでした。
AMD first entered the CPU market with reverse-engineered Intel 8080 clone 50 years ago — the Am9080 cost 50 cents apiece to make, but sold for $700 | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/amd-first-entered-the-cpu-market-with-reverse-engineered-intel-8080-clone-50-years-ago-the-am9080-cost-50-cents-apiece-to-make-but-sold-for-usd700
Intel 8080は日本人技術者の嶋正利氏が中心となって開発されたCPUで、Altair 8800などの初期の個人向けコンピューターに搭載されて人気を博しました。

AMDはIntel 8080の設計を分析してリバースエンジニアリングすることで、Intel 8080と同等の性能を備えたAm9080を開発しました。リバースエンジニアリングに取り組んだのはXerox(ゼロックス)を退職してAMDに入社したAshawna Hailey氏とKim Hailey氏とJay Kumar氏でした。Internet Archiveに残っているHailey氏らへのインタビューには「私たちはXeroxでマイクロプロセッサを分析する役割を担っていた。Xeroxを退職しようと考えていた頃にIntel 8080の試作サンプルを入手した。最終出社日にIntel 8080の顕微鏡写真をカラーフィルム10本分撮影した。Xeroxを退社した後、1973年の夏に300~400枚の写真をつなぎ合わせてIntel 8080のトランジスタなどの構成をトレースし、シリコンバレーに持ち込んだ。AMDが興味を示してくれて、私はAMDに入社してIntel 8080の開発に取り組んだ。そして1年後にAm9080が完成した」と語ったことが記録されています。
Interview with Shawn and Kim Hailey
https://web.archive.org/web/20131111155525/http://silicongenesis.stanford.edu/transcripts/hailey.htm

AMDはAm9080を量産して軍事市場などで販売しました。Am9080の1個当たりの製造コストはわずか50セント(約78円)で、販売価格は1個当たり700ドル(約11万円)だったとされています。

AMDの行いは法廷闘争に発展しそうなものに思えますが、当時は軍事市場で「1社に頼らない体制の構築」が求められていたため、IntelはAMDとライセンス契約を締結する方針を決定。AMDは契約時にIntelに対して2万5000ドル(約390万円)を支払い、その後は年間7万5000ドル(約1170万円)を支払うことになりました。
AMDとIntelの契約は後の「x86プロセッサのライセンスに関する合意」にも影響したと指摘されています。
なお、64ビットアーキテクチャのCPUについてはAMDがIntelより先に製品化しています。
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in ハードウェア, Posted by log1o_hf
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