サイエンス

言論の自由度が低い社会では「陰謀論」を信じる人が多いとの研究結果


陰謀論はさまざまな出来事に関して、「権力を持った集団による陰謀」が関与しているとする考えのことで、内容は「COVID-19は政府の陰謀」「月面着陸は嘘」など多岐にわたります。新たな研究では、「言論の自由度が低い社会」では陰謀論を信じる人が多くなるという結果が示されました。

The Impact of Freedom of Speech on Conspiracy Beliefs - Bertin - European Journal of Social Psychology - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ejsp.70029


Conspiracy beliefs are higher in societies with lower freedom of speech, study finds
https://www.psypost.org/conspiracy-beliefs-are-higher-in-societies-with-lower-freedom-of-speech-study-finds/

さまざまな出来事を陰で操っている集団がいるとする陰謀論は、人々が不確実性を感じたり、人生のコントロールを失ったり、公的な情報源に不信感を持ったりした時に生まれがちです。陰謀論は出来事に関して「明確な悪役」がいると主張し、一見すると理にかなったようなストーリーを提示することで、複雑な現実を単純化してしまいます。


陰謀論は証拠よりも感情に訴えかけ、急速に広まる傾向がある上に、陰謀論信者に強いアイデンティティと帰属意識を与えます。また、社会制度や科学、民主主義のプロセスへの信頼を損なう可能性があることから、民主主義への脅威だと指摘されています。

そこでスイス・ローザンヌ大学の心理学者であるポール・ベルタン氏らの研究チームは、民主主義において重要な「言論の自由」と陰謀論の信念の関係について、国レベルの分析と複数の実験を行いました。

まず研究チームは、26~68カ国で収集した言論の自由に関するいくつかの尺度、2020年に69カ国で測定したCOVID-19に関する陰謀論的信念、言論の自由への支持、政治腐敗の認識、社会の民主性に関する認識について分析しました。

その結果、言論の自由度が低く、言論の自由への支持が低い国では、国民が陰謀論を信じる傾向が強いことが示されました。また、民主主義度が低く、腐敗度が高いと認識されている国でも陰謀論を信じる傾向が高かったと報告されています。なお、政治腐敗と民主主義への認識を考慮して分析したところ、言論の自由と陰謀論の関連性は有意ではなくなったとのこと。


続いて研究チームは、言論の自由と陰謀論の関係を調べるため、複数の実験を行いました。最初の実験には190人のアメリカ人と90人のベルギー人学生が参加し、「架空の国の国民になった」という想定で2つのグループに分けられました。

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in 無料メンバー,   サイエンス, Posted by log1h_ik

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