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Appleに対しiOSの接続機能をサードパーティに開放するようEUが命令、さらにGoogleも検索とGoogle PlayでDMAに違反していると非難


欧州委員会が2025年3月19日、Appleに対してデジタル市場法(DMA)に基づいて、相互運用性の義務を順守するための措置が採択されました。Appleがこの決定に従わなかった場合、最大で全世界の売上高の10%にのぼる罰金が課せられる可能性があります。また、欧州委員会はGoogle検索とGoogle PlayがDMAに違反しているとの調査結果も報告しています。

Commission provides guidance under Digital Markets Act to facilitate development of innovative products on Apple's platforms
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_25_816


Commission sends preliminary findings to Alphabet under the Digital Markets Act
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_25_811


Apple Says New EU Interoperability Rules 'Bad for Our Products and Our Users' - MacRumors
https://www.macrumors.com/2025/03/19/apple-eu-interoperability-bad-for-products-users/

Brussels takes action against Google and Apple despite Trump threat
https://www.ft.com/content/a9d0bde3-f10e-4113-b21c-cb02bf31a8f2

The EU’s competition rules are hurting consumers and businesses
https://blog.google/around-the-globe/google-europe/the-eus-competition-rules-are-hurting-consumers-and-businesses/

これまでEUはAppleに対してサードパーティー製の代替アプリストアの開設とサイドローディングを認めるよう迫っており、2024年1月にはAppleがEU圏内でApp Store外でのiOSアプリ配布と決済を認めています。

さらに欧州委員会は、Appleに対して「Apple以外のブランドのスマートウォッチやヘッドフォン、テレビなどのデバイスに、iOSの接続性に関する機能へのアクセスを提供する」ことを求めています。欧州委員会は「こうした相互運用性は、他社製品とAppleのエコシステムをより深く、よりシームレスに統合することができるようになります。したがって相互運用性は、サードパーティーがAppleのプラットフォーム上で革新的な製品やサービスを開発するための新たな可能性を開くための鍵となります」と語りました。


欧州委員会によると、サードパーティー製品がiOSと相互運用することで、スマートウォッチへの通知表示やビアツーピアWi-Fi接続、近距離無線通信、デバイス同士のペアリングなどのユーザーエクスペリエンスが向上し、消費者はApple製デバイスと互換性のある製品の選択肢が広がるとのこと。

また、欧州委員会はAppleに「アプリ開発者からの相互運用性に関する要求に対応するための詳細なプロセスとタイムラインを開示」するように要求しています。これにより、サードパーティー開発者がまだ利用できない機能に関する技術ドキュメントへのアクセスの改善や、Appleとのタイムリーなコミュニケーションとアップデートが可能になるそうです。さらに開発者は相互運用性に関する要求を迅速かつ公正に処理できる可能性が報告されています。

今回の発表について、欧州委員会の反トラスト責任者であるテレサ・リベラ氏は「私たちは単に法律を施行しているだけです。EUで事業を行う以上、企業の設立場所に関係なく、DMAを含むすべてのEUの規則を順守しなければなりません」と述べています。

一方、Appleは複数のメディアに対して「欧州委員会の命令は『他社のコピーに依存している企業』を含む競合他社に知的財産を引き渡すことを求めるものです」と指摘し、「欧州委員会の命令はAppleがヨーロッパのユーザーのために革新的な製品を開発する能力を損なわせ、関係のない競合他社にもAppleの新機能を無料で提供することを余儀なくさせるものです。今回の命令は、私たちの製品にとっても、ヨーロッパのユーザーにとっても受け入れられません」と反発しています。

またAppleは「一部の企業がDMAを悪用してすべてのユーザー通知を暗号化されていない形式で自社サーバーに吸い上げたり、Appleが通常実施しているすべてのプライバシー保護を回避する可能性があります」と懸念を表明しています。


なお、今回の欧州委員会による決定には法的拘束力があり、Appleが従わなかった場合、Appleには全世界の年間売上高の10%にのぼる罰金が課せられる可能性があります。

また、EUはGoogleについても2024年3月からDMAに基づく調査を続けており、2025年3月19日にGoogleに対して「GoogleはDMAを順守していない」との見解を示した予備調査結果を送付しました。

Apple・Meta・Googleをデジタル市場法違反の疑いで欧州委員会が調査開始、悪質と判断されれば全世界売上の最大20%相当の罰金を科される可能性あり - GIGAZINE


Googleに関する調査結果の1つは「Google検索においてGoogleは自社サービスを競合他社よりも優遇している」というもの。欧州委員会は「Googleは、ショッピングやホテルの予約、交通、金融、スポーツの結果など、自社のサービスをサードパーティーが提供する同様のサービスよりもGoogle検索結果でより有利に扱っています」「具体的には、Google検索結果の上部や専用スペースに自社のサービスを表示することで、サードパーティーのサービスよりも目立つ扱いをしています」と指摘しています。

また、もう1つはGoogleのアプリストアであるGoogle Playに関するもので「Googleは、開発者が消費者をGoogle Play以外のアプリストアに誘導することを困難にしています」と欧州委員会は批判しています。なお、DMAの下では、Google Playを通じてアプリを配布するアプリ開発者は、顧客に安価な代替案を無料で提示し、それらのオファーに誘導し、購入を許可することができる必要があります。

欧州委員会は「Googleは、Google Playを通じてアプリ開発者が新規顧客を最初に獲得した際の手数料を受け取ることができますが、Googleが請求する手数料は正当な範囲を超えています。Googleは、ユーザーがデジタル商品やサービスを購入するたびに、開発者に対して長い期間にわたって高額な手数料を請求しています」と語っており、最終的に今回の予備調査結果が妥当だと認められた場合、欧州委員会はGoogleに対するコンプライアンス違反の採択手続きに入ることになります。


一方でGoogleは声明を発表しており「欧州委員会による今回の発表は、Google検索やAndroid、Google Playに大幅な変革を迫っており、これはヨーロッパの企業や消費者に打撃を与えるだけでなく、イノベーションを妨げ、セキュリティを弱体化させ、製品の品質を低下させるものです」と反論。Googleのコンペティション担当ディレクターであるオリバー・ベセル氏は「欧州委員会の調査結果は、Google検索での結果の表示方法に多くの変更を加えることを要求しています。これにより、ユーザーは探している情報を見つけることが難しくなり、ヨーロッパの企業によるビジネスへのトラフィックが減少します。また、Google Playの変更は、ヨーロッパのユーザーを悪質なアプリからのマルウェアや詐欺のリスクにさらすことになります」と主張しました。

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in メモ, Posted by log1r_ut

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