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Googleがデジタル市場法に基づき旅行比較サイトを強調した結果ホテルや航空会社の直接予約が30%減少していると主張


オンラインプラットフォームの公正性を保ち、強力な経済的地位を築いている企業を規制して競争を促すEUの「デジタル市場法(DMA)」にGoogleが従い、検索結果に詳細情報を表示する機能を一部削除することを明らかにしました。Googleは「大手価格比較サイトを目立たせるか、小規模事業者を目立たせるかの板挟みになっている」として不満を漏らしています。

An update on our compliance with the DMA
https://blog.google/around-the-globe/google-europe/dma-compliance-update/


Google to tweak search results in Europe after rivals complained | Reuters
https://www.reuters.com/technology/google-proposes-fresh-tweaks-search-results-europe-2024-11-26/

Google to test plain 'blue link' results for hotel searches in EU markets in latest DMA twist | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/11/26/google-to-test-plain-blue-link-results-for-hotel-searches-in-eu-markets-in-latest-dma-twist/

Google Testing More DMA Changes In Europe Including Removing Maps For Hotel Results
https://www.seroundtable.com/google-dma-tests-maps-hotel-results-38481.html

DMAは市場における確固たる地位を築いている企業を規制するもので、市場支配力を乱用した不当な契約条件を是正し、新興企業に競争する機会を与えるなどの目的があります。DMAの対象となった企業はGoogleの親会社Alphabetのほか、Apple、Amazon、ByteDance、Meta、Microsoftの6社。DMAに基づく勧告に従わない場合、対象となった企業は年間売り上げの最大10%の罰金を科せられる可能性があります。

Googleの市場支配力に対して不満を訴えていた業界の1つが、Booking.comやAirbnbなどの旅行比較サイトでした。DMAに基づいて旅行比較サイトからの不満を解消するべく、Googleは航空券、ホテル、ショッピングなどのカテゴリーにおいて比較サイトを目立たせるための専用ユニットやフォーマットを導入するなど20以上の修正を加えたとのことですが、この影響で検索結果に表示されるマップなどの「便利な機能」が失われてしまい、Googleは「EU圏のユーザー体験に悪影響を与えることになった」と指摘しています。


特に、大手比較サイトを目立たせてしまったせいで航空会社やホテルが直接運営するサイトへのアクセスが30%も激減してしまったとのことで、Googleは比較サイトと小売業者との板挟みになっていると訴えています。こうした状況にもかかわらず、大手比較サイトはさらなる改革を迫っているそうです。

こうした状況に対処しつつDMAの目標を達成するため、Googleは検索結果の新しいデザインを提案しました。その案とは、「ユーザーが商品、レストラン、ホテルなどを検索する際、比較サイトか小売店のどちらかを選べるようにするユニット」「比較サイトや小売店が、ウェブサイトに掲載している価格や写真といった情報をより多く表示できる新しいフォーマット」「比較サイト用の新しい広告ユニット」の3つです。この案に関連していると思われるデザインも実際に確認されています。


加えて、Googleは検索結果から詳細情報を表示するユニットを削除する短期テストをドイツ、ベルギー、エストニアで実施中です。これにより、検索結果には「ただのリンク」しか表示されなくなります。


Googleは「多くの利害関係者は私たちの変更に満足していますが、いくつかのサイトは単純なリンク以上のものを禁止させるなどさらなる要求を続けています。これでは、価格や評価のような有益な情報を表示できなくなってしまいます。便利な機能を削除してもヨーロッパの消費者やビジネスには何のメリットもありません。最新の提案は、DMAに伴う難しいトレードオフのバランスを取るための正しい方法だと考えています。私たちは法律を順守し、私たちの提案で有用な解決策に到達できることを願っています」と述べました。

イギリスの価格比較「Kelkoo」のリチャード・ステーブルズCEOは「検索結果におけるGoogle独自の比較サービスの明らかな優遇措置は解決されておらず、ライバルはたとえ表示されたとしてもはるかに不利な位置に表示されます。競合相手ではなくGoogleの顧客として行動せざるを得ません」と指摘し、Googleの提案を拒否しています。

一方、ドイツホテル協会は、「予約サイトや比較サイトが要求するようなリンク形式の表示は、消費者にとって透明性と利便性が低くなります。特に独立系経営者や小規模事業者にとって、単純なリンクは逆に競争を難しくします。知名度が低下し、多額の手数料を要求する代理店への依存度が高まり、収益性と持続可能性が損なわれます」と述べ、リンクへの回帰に懸念を示しました。

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in ネットサービス, Posted by log1p_kr

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