EUのデジタル市場法によりOpera・DuckDuckGo・Brave・Vivaldi・Ecosia・Aloha Browserなどのサードパーティーブラウザがユーザー数を伸ばしていることが明らかに
2024年3月7日に欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)が発効してから、スマートフォン市場におけるウェブブラウザの競争が激化していることが明らかになりました。
Exclusive: EU's new tech laws are working; small browsers gain market share | Reuters
https://www.reuters.com/technology/eus-new-tech-laws-are-working-small-browsers-gain-market-share-2024-04-10/
Alternative browsers report uplift after EU’s DMA choice screen mandate | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/04/10/eu-dma-browser-choice-screen-early-impact/
スマートフォン市場におけるOSシェアのほとんどは、Appleの開発するiOSとGoogleの開発するAndroidが占めています。これまで、「標準ブラウザに最初から設定されていた」などのアドバンテージによりSafariやChromeが多くシェアを獲得してきました。しかし、こういった状況は不公平であるとして、こういった状況が不平等であるとして、EUのDMAではOSメーカーに対し、ユーザーがブラウザを自由に選べるようにするための「ブラウザ選択画面」を表示することを強制しています。
ブラウザ選択画面は以下の通り。ユーザーがデフォルトのブラウザを自由に選べるような内容となっています。
Oh, I finally got the DMA default browser screen.
— Grégoire Gaonach (@GregoireGaonach) April 7, 2024
But I guess people choose their browser based on a vague memory of a familiar logo. Good time to double down on advertising. pic.twitter.com/ihm5XRP3oo
このブラウザ選択画面が表示されるようになってから、EUではさっそく独立系の開発者による小規模ブラウザのシェアが拡大していることが明らかになりました。
キプロスに本拠地を置くAloha Browserは、EU内のユーザー数が2024年3月に入ってから250%も急増したと発表しています。DMAの発効により、Aloha Browserユーザーはスペインで2.5倍、フランスでは3倍、イタリアでは2倍、ドイツでは2.5倍、ポーランドでは2倍、スウェーデンでは2.5倍、デンマークでは2倍に増加したことが報告されています。
Aloha Browserは大手テクノロジー企業が所有するブラウザに代わるプライバシー重視のブラウザとして自社ツールをアピールしており、月平均1000万人のユーザーを抱えています。Aloha Browserではユーザーを追跡したり広告を表示したりする代わりに、有料サブスクリプションサービスを通じて収益を上げています。
Aloha Browserのアンドリュー・フロスト・モロズCEOは、ロイターに対して「以前はEUが4番目の市場でしたが、今では2番目に大きな市場に成長しました」と語っています。
Aloha Browserの他、ノルウェーのVivaldi、ドイツのEcosia、アメリカのBrave、約1億人のユーザーを抱えるDuckDuckGo、3億2400万人以上のユーザーを抱えるOperaもユーザー数を伸ばしていることを明かしています。なお、Operaのジャン・スタンダル氏は「現在、EUでは記録的なユーザー数を記録しています」とロイターに語っており、EUでのユーザー数増加のほとんどがiPhoneユーザーによるものであると説明しています。
ただし、DMAにより導入されたブラウザ選択画面はまだ展開の途上にあるため、今後もサードパーティーブラウザアプリのシェア拡大が予想されます。
AppleのiOSではEUの27カ国向けにそれぞれ異なるブラウザ選択画面を用意しており、画面ではSafariを含む最大11種類のブラウザアプリを表示しています。Appleはこのブラウザ選択画面を1年に1回更新する予定です。なお、DuckDuckGoとOperaは27カ国すべてのブラウザ選択画面に表示されていますが、Aloha Browserは26カ国、Ecosiaは13カ国、Vivaldiは8カ国でのみ表示されます。
一方、Googleは自社製スマートフォンにおいてはすでにブラウザ選択画面を表示しているものの、他社製Android端末すべてでブラウザ選択画面を表示しているわけではありません。Googleの広報担当者はロイターに対して「ブラウザ選択画面に関して共有できるデータはまだない」とコメントしています。
Vivaldiのジョン・スティーブンソン・フォン・テチュナーCEOは、iPhoneではユーザーがSafariをクリックした時のみブラウザ選択画面が表示されるため、「ブラウザ選択画面のプロセスが非常に複雑なため、Safariか、ある程度有名なブラウザが選ばれやすい状況です」と語りました。
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