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Apple・Meta・Googleをデジタル市場法違反の疑いで欧州委員会が調査開始、悪質と判断されれば全世界売上の最大20%相当の罰金を科される可能性あり


EUの欧州委員会が、GoogleとAppleのアプリストアにおける反ステアリング規則やGoogle検索での自社サービス優遇など、Google・Apple・Metaがデジタル市場法の独占禁止規則を順守していない疑いがあるとして、調査を開始すると発表しました。この調査により、Appleが独占禁止法を遵守していないことが確認された場合、Appleは全世界売上高の10%までの罰金を科せられる可能性があり、違反を繰り返した場合は罰金が最大20%まで増加する可能性があります。

Commission opens non-compliance investigations against Alphabet, Apple and Meta under the Digital Markets Act
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_24_1689

Remarks by Executive-Vice President Vestager and Commissioner Breton on the opening of non-compliance investigations under the Digital Markets Act
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/speech_24_1702

Apple, Meta, and Google targeted by EU in DMA non-compliance investigations - The Verge
https://www.theverge.com/2024/3/25/24111232/european-commission-digital-markets-act-investigation

Alphabet・Amazon・Apple・ByteDance・Meta・Microsoftの6社は、2023年9月に欧州委員会によって「ゲートキーパー」として指定され、デジタル市場法の順守が義務付けられています。


EUの独占禁止法担当責任者であるマルグレーテ・ベステアー氏は「(Googleの持株会社である)Alphabet・Apple・Metaが提案した解決策はデジタル市場法を完全に順守していないのではないかと疑っています。私たちは、今後ヨーロッパにおけるオープンで競争の激しいデジタル市場を確保するため、各企業にデジタル市場法への準拠状況を調査する予定です」とコメントしています。

欧州委員会が問題視しているのは以下の5件です。

・GoogleとAppleの運営ルール
欧州委員会は、GoogleとAppleが自社アプリストア外への誘導を禁止する「反ステアリング規則」について、デジタル市場法の第5条4項に違反している可能性を指摘しました。特にAppleについては、欧州委員会が約18億ユーロ(約2940億円)を超える制裁金を科すと2024年3月初頭に発表しています。

Appleが独禁法違反で2940億円の巨額罰金とApp Storeのルール変更をEUから命じられる - GIGAZINE


・Google検索における自己選好
Googleの検索結果で、GoogleショッピングやGoogleフライトなどの自社サービスを、競合する他社サービスよりも上位に表示することを問題視した欧州委員会は、Googleの持株会社であるAlphabetに対する訴訟手続きを開始したことを明らかにしています。

・Appleのユーザー選択義務違反
iOS上のアプリケーションを簡単にアンインストールしたり、デフォルト設定を簡単に変更したり、ユーザー向けに選択画面を表示したりなど、Appleがユーザーに対して自由に選択できるようにする義務を怠ったとして、欧州委員会はAppleへの訴訟手続きを開始したと述べています。

・Metaの「支払うか同意するか(Pay or Consent)」
MetaはFacebookとInstagramで広告を非表示する有料プランをEU圏で展開していますが、この有料プランが高額だとしてEUの消費者団体から苦情があがっていました。

広告のために個人情報を差し出すか金を払うかを迫るMetaのアプローチに対して欧州最大の消費者団体が苦情を申し立てる - GIGAZINE


欧州委員会は、Metaが消費者に「支払うか同意するか」を迫るこの手法がユーザーに真の代替手段を提供しておらず、ゲートキーパーによる個人データの蓄積を防止するというデジタル市場法の目的を達成できていない可能性があるとして、調査手続きを開始したと述べました。

・その他の調査
欧州委員会はまた、Amazonが自社ブランドの製品をストア内で優先している可能性や、Appleのコアテクノロジー料などの新しい料金体系や代替アプリストアでの規約がデジタル市場法に違反している可能性についても触れています。

調査によってデジタル市場法を順守していないと結論づけられた場合、ゲートキーパーには全世界売上高の最大10%の罰金を科される可能性があります。また、デジタル市場法違反を繰り返した場合は、最大20%の罰金が科せられることもあり得ます。


欧州委員会のティエリー・ブルトン委員は「Apple・Alphabet・Metaのソリューションが、EU国民や企業にとってより公平でオープンなデジタル市場に対する義務を尊重しているとは到底思えません。私たちの調査によってゲートキーパー3社がデジタル市場法を順守していないと結論づけられた場合、高額の罰金が科せられる可能性があります」とコメントしました。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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