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Telegramのネオナチコミュニティが人種差別・反ユダヤ主義・同性愛嫌悪のヘイトを煽るチャットグループを作成、10代の若者が銃撃事件を引き起こすまでの経緯とは


無料メッセージングアプリ「Telegram」上のネオナチコミュニティがスロバキア人の少年を過激化させ、最終的に2人死亡・1人重傷の銃撃テロ事件を引き起こさせた経緯について、アメリカの独立系報道機関・ProPublicaがまとめています。

How Terrorgram Collective Influencers Groomed a Killer — ProPublica
https://www.propublica.org/article/telegram-terrorgram-collective-bratislava-murders-neo-nazi-online-hate

2019年8月、当時16歳の少年がTelegram上の白人至上主義・反ユダヤ主義・同族愛嫌悪を支持するチャットグループに参加しました。少年は学校でいじめられており、Telegramのチャットグループで「初めて自分の声を聞いてもらえた」と感じたそうです。

少年は、同じスロバキア人でチャットグループの中心人物だった「Slovakbro」というハンドルネームのユーザーと親密になりました。Slovakbroは爆弾の作り方や暴力行為の方法を投稿し、チャットグループの参加者に実行を促していました。Slovakbroとの親交を深めていくうちに、少年はSlovakbroの過激な思想を受け入れるようになり、1日のうち半分近くをTelegramに費やし、100件以上の投稿をするほどのめり込んでいったとのこと。


2019年9月18日、少年はスロバキアのブラチスラバ市にあるLGBTQバーに関する記事をチャットグループに共有しました。これに対して、SlovakbroはロンドンでLGBTQパブを爆破したテロ事件を称賛する内容を返しました。その後、少年はLGBTQコミュニティに対する憎悪を表明し、バーの写真を投稿しています。

2021年、Slovakbroは「Terrorgram Collective」という組織を正式に結成し、より過激なプロパガンダやテロ攻撃の指南本を制作・配布するようになりました。しかし、Slovakbroは2022年の夏にスロバキアでテロ関連の容疑で逮捕されています。


Slovakbroの逮捕によってTerrorgram Collectiveは崩壊したと思われましたが、アメリカ・カリフォルニア在住の男が新たにTerrorgram Collectiveのリーダーとなり、少年を指導していました。男は「若い白人男性を受け入れ、過激化プロセスを完了させることが自分の仕事」と述べています。

少年は2022年10月にスロバキア首相の自宅やユダヤ人コミュニティセンターやLGBTQバーなどを偵察し、Twitter(当時)に「作戦中に死ぬ可能性が高い」などのテロをほのめかすメッセージを投稿。その直後に少年は、父親が持っていた45口径の拳銃で、かつてTelegramで共有したLGBTQバーを銃撃し、2人を殺害、1人を負傷させました。


少年は警察に追われる中、自殺ホットラインを運営する心理学者と電話で会話したあと、自ら命を絶ったとのこと。少年を指導していた男は、少年の犯行声明を拡散し、「少年は私がTelegramで最初に出会った作品の1つであり、プラットフォーム上で最も素晴らしい作品です」「少年は聖人だ」とたたえたそうです。なお、男は2025年1月に逮捕されました。

Telegramは「私たちのプラットフォームでは、いかなるグループからの暴力の呼びかけも容認されません」と述べており、監視を強化したと述べています。ProPublicaは、専門家たちが「X(Twitter)やMetaなどの主流なソーシャルメディア企業がオンラインコンテンツの監視を縮小している」と指摘していることに触れ、暴力的なネオナチグループがたとえTelegramから追放されても、別の居場所を見つけるだろうと警告しました。

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in レビュー,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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