ネットサービス

白人至上主義者のページなどTwitter広告主が望まない場所に広告が表示され苦情の嵐に


不適切なTwitterアカウントページには表示されないようにモデレーションされているはずの広告が、白人至上主義者のアカウントページに表示されていることが明らかになりました。Amazon、Snap、Uberなど主要な広告主の広告が少なくとも2人の白人至上主義者のページで表示されており、広告主は苦情を申し立てました。

Amazon, Uber, Snap ads appear on Twitter pages of white nationalists restored by Musk - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2022/12/06/twitter-ads-elon-musk/

ワシントン・ポストによると、2022年12月に入り少なくとも40の組織の広告が白人至上主義者のアカウントページで表示されていたとのこと。表示されたアカウントのうち2人はかつてTwitterによりアカウント凍結処分を受けたアンドリュー・アングリン氏とパトリック・ケイシー氏。アングリン氏はデイリー・ストーマー紙の編集者で何年にもわたって公然と人種差別やファシストの見解を広めてきたとされ、ケイシー氏は白人民族主義団体「アイデンティティ・エブロパ」のリーダーを務め、白人民族主義思想を保守運動の主流とすることを目指してきたとされる人物です。どちらもイーロン・マスクCEOが実施した大量恩赦「ビッグバン」により凍結が解除されたものとみられています。

なお、アングリン氏は凍結が解除されてすぐにヘイトスピーチを擁護するツイートを投稿しています。

白人至上主義者で悪名高いネオナチのTwitterアカウントが復活、早速ヘイトスピーチを擁護 - GIGAZINE


実際に白人至上主義者のアカウントに広告が掲載されてしまったアメリカ大衆紙・USAトゥデイの広報担当者は「これは明らかに我々の価値観や使命に沿うものではないので、我々はすぐさまTwitterに連絡を取りました」と発表しました。

Twitterは長年にわたり広告が不適切な場所に表示されないように取り組み続けていますが、人種差別などのトピックを投稿するユーザーのページに不用意に広告が表示されることは、マスク氏とTwitterの広告主との関係に摩擦を生じさせるものにほかなりません。

匿名を条件に語ったTwitterの元社員によると、Twitterのシステム上特定のアカウントの近くに広告が表示されないようにフラグを立てる必要があるとのことですが、今回はうまく作用しなかったか、仕様が変更されていた可能性があります。


自らを「言論の自由絶対主義者」と称するマスク氏は違法行為やスパムに関与していないアカウントを復元すべきかどうかをユーザーに問うTwitter投票を実施しており、約316万票のうち72.4%が賛成に投じる結果となっていました。マスク氏がこれを実行に移したため一部のアカウントが復活の兆しを見せつつありますが、マスク氏がTwitterに加える変化のスピードが速いため、Twitter Blueの認証マークの展開の失敗を含め、同社は多数の問題に直面しました。

その影響として、なりすましアカウントやヘイトスピーチが目立つようになったあとに多くの企業がTwitterから大量に離脱していることが報告されています。マスク氏は「Twitterが何でも言えて結果が伴わない自由奔放な地獄絵図にならないようにする」という目標を掲げて広告主を安心させようと試みていますが、大手顧客が広告出稿を停止していることも明らかになっています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
イーロン・マスクが「AppleがApp Storeから締め出すと脅してきた」と主張、Twitterへの広告出稿をほぼ停止したとも報告 - GIGAZINE

イーロン・マスクがTwitterで悪質な「なりすましアカウント」が止まるまで有料で認証済みバッジを配布するTwitter Blueを再開しないと社員に発言 - GIGAZINE

Twitterが認証済みバッジを購入可能にしたことで公式になりすました偽アカウントが大量発生中 - GIGAZINE

イーロン・マスクが凍結されたTwitterアカウントの「全面的な恩赦」についてアンケートを実施中 - GIGAZINE

Twitterでトランプ元大統領のアカウントが復活した途端にAppleのフィル・シラーがTwitterアカウント閉鎖、イーロン・マスクとApple・Googleの戦いの始まりか - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article here.