「PS6は2028年に出るのか?」「スクウェアはかつて任天堂にカートリッジを辞めるように懇願した?」など盛りだくさんな元SIE吉田修平氏のインタビューが公開中

ソニーのゲーム部門を担当するソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のインディーズイニシアチブ代表で、初代PlayStationから開発に携わっている吉田修平氏が、38年間務めたソニーを2025年1月15日に退職しました。そんな吉田氏に海外ゲーム系ニュースサイト・GamesBeatがインタビューを行っています。
Shuhei Yoshida looks back at 31 years at Sony PlayStation | exit interview | VentureBeat
https://venturebeat.com/games/shuhei-yoshida-looks-back-at-31-years-at-sony-playstation-exit-interview/

吉田氏は1986年の入社当時を振り返り、最初は本社の経営企画部門で新規事業の調査を担当していたと述べています。その後、1993年に久多良木健氏のチームに参加することになりますが、吉田氏は「久多良木氏は『ワークステーションと同じパワーのゲーム機を500ドル(当時のレートで約5万5000円)で作る』と言い、私は『すごいですね』と返しましたが、本当は信じていませんでした」と率直に語っています。
PlayStationはもともとソニーの独自企画ではなく、任天堂と共同で開発するスーパーファミコンの互換機となる予定でした。
ソニーがかつて任天堂と共同開発したスーパーファミコン互換「PlayStation」の実機が見つかる - GIGAZINE

吉田氏は「私は当時ソニーからの派遣学生としてカリフォルニア大学ロサンゼルス校でMBAを取得中でした。ソニーは元々のPlayStation、つまりスーパーファミコン互換機を発表する予定でしたが、発表の前日に、任天堂がフィリップスとの提携を発表したのです。私はその発表を知って、何が起きているのだろうと思いました。なぜなら私は元々の計画を知っていたからです」と述べています。

そして、PlayStationの大きな転機となった出来事として、吉田氏は「スクウェア(現スクウェア・エニックス)がPlayStationへの参入を決めたこと」を上げています。スクウェアは1996年のクリスマス商戦で、「ファイナルファンタジーVII」をPlayStationで発売すると発表しました。
吉田氏が語るところによれば、「ファイナルファンタジー」シリーズのディレクターを務めた坂口博信氏は、まるで実写映画のようなファイナルファンタジーの開発を夢見ていたそうです。そのため、NINTENDO64がロムカートリッジ方式を採用すると決めた際にスクウェアは「ロムカートリッジでは容量に限界がある」と述べ、任天堂にその計画変更を懇願したとのこと。しかし、任天堂は「CD-ROMは、ゲーム機には遅すぎて使い物にならない」と考えており、ロムカートリッジを採用するという方針を変えることはありませんでした。

結果としてスクウェアはPlayStationへの移行を決断し、「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」を開発していたエニックスも後に続いたそうです。
また、PlayStation 3(PS3)時代の苦労については、「当時、私は経営陣の一員として財務状況を見ていましたが、10億ドル(約1200億円)の損失を出していました。PlayStationは終わりかと思いました。しかし幸運なことに、当時ソニーの薄型テレビが大人気で、テレビ部門がPS3の損失を補えるだけの利益を上げていたので、何とか生き残れました」と振り返っています。

PS5の後継機について吉田氏は「次のPlayStationについての情報は持っていませんが、まだ早すぎる気がします。コンソールサイクルは長くなってきていて、前回のサイクルは7年でした。7年サイクルだとすると、次世代機は2027年に登場することになりますが、私にはまだ早すぎる気がします。PS5世代は製造の問題で遅れが出ましたが、次のPlayStationが2028年に出るというのは、私もそうだろうなと思います。Microsoftからも2028年という計画がリークされましたね。おそらく両社とも同じ時期になるでしょう。半導体からの収穫逓減(ていげん)があります」と語っています。
インディーゲーム支援への転身については、2019年にジム・ライアン氏から任された際は「インディー担当になるか、会社を去るかの選択でした」と明かしつつも、インディー開発者たちは未来を作り出す存在だと確信を持って取り組んだと吉田氏はいいます。その成果として「数年前はインディータイトルのSwitch版がPlayStation版の3〜5倍売れていましたが、徐々にその差は縮まってきました。2024年は多くのインディーパートナーから、他のプラットフォームよりもPlayStationでよく売れているという報告を受けました。PCよりも売れているゲームもありました」と、具体的な成果を挙げています。
「引退ではありません。会社を去っただけです」と語る吉田氏は退職後の展望について、インディーゲーム開発者のアドバイザーとして活動を続ける意向を示し、「若くて才能ある開発者たちと働くのが大好きです。毎年、彼らは素晴らしいゲームを生み出しています。ゲーム・オブ・ザ・イヤーのノミネート作品の中に、毎年インディーゲームが何本か入っています。業界に刺激的な要素をもたらしてくれているのです」と語りました。
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in ゲーム, Posted by log1i_yk
You can read the machine translated English article An interview with former SIE employee Sh….