マーク・ザッカーバーグが「私が言うことは全部リークされる。最悪」とリークされた会議で発言

by Anthony Quintano

Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが、自らの発言が逐一リークされるためミーティングの形式を変更すると、録音データが流出した会議で述べていたことがわかりました。

'Everything I Say Leaks,' Zuckerberg Says in Leaked Meeting Audio
https://www.404media.co/zuckerberg-says-everything-i-say-leaks-in-leaked-meeting-audio/

IT系ニュースサイト・404 Mediaが入手した会議音声によると、マーク・ザッカーバーグCEOは2025年1月30日のMetaの全社会議で、「私の言うことはすべてリークされます。最悪でしょう？」と述べていたとのこと。

社内での発言が外部に筒抜けになっていることを問題視したザッカーバーグCEOは、全社会議の質疑応答セクションを変更する意向を示しました。

これについてザッカーバーグCEOは「オープンに話せるようにしたいのですが、私たちはものを作って世界に価値を生み出そうとしているのであって、どうせリークされることを口にして価値を破壊しようとしているのではありません」と説明しています。

今後、Metaの全社会議では直接社員からの質問を受け付ける代わりに投票制度を導入し、事前に質問した内容に投票して、その結果によって会議の主要テーマが決められるようになります。

ザッカーバーグCEOは「私がしゃべると価値が破壊されるようなことがたくさんあると思いますので、それらについて話すつもりはありませんが、それはそれでいいことだと思います。大企業を経営するというのはそういうことなのかもしれませんが、ちょっと残念です」とコメントしました。

1時間にわたるこの会議で、ザッカーバーグCEOは他にも、ソフトウェアエンジニアがAIに置き換えられる可能性、オープンソースのAIがすぐにクローズドソースのAIを追い抜くと考えていること、Metaがトランプ政権に合わせてプラットフォームに変更を加えたため政権と歩調を合わせやすくなったことなど、既に公の場で述べたことがある見解をいくつか話しました。

特に政府との連携について、ザッカーバーグCEOは「私たちは今、アメリカ政府と生産的な関係を持つ機会を得ているので、それを活用するつもりです」と発言しています。

ザッカーバーグCEOが言及したプラットフォームの変更とは、多様性・公平性・包括性(DEI)プログラムや外部機関によるファクトチェックの廃止のことです。ドナルド・トランプ大統領は就任直後に、LGBTQ＋の推進を目指すものを含むバイデン前政権の大統領令約80件を撤回しており、MetaのDEIプログラム廃止はトランプ大統領の政治方針に合わせたものだと言えます。

Metaがファクトチェックに続き多様性・公平性・包括性に関するDEIプログラムを廃止 - GIGAZINE

また、ザッカーバーグCEOは直接言及しませんでしたが、MetaはFacebookアカウントの停止をめぐって同社を訴えていたトランプ大統領と和解するため2500万ドル(約38億円)を支払うことで合意したばかりであり、これはMetaとトランプ政権の関係が改善しつつあることを強調しています。

ザッカーバーグCEOはさらに、DeepSeekの台頭についての話題も取り上げて、MetaがDeepSeekから受ける影響はOpenAIやNVIDIAほど大きくないだろうと指摘しました。というのも、Metaは自社製の大規模言語モデルであるLLaMAへのアクセスを販売しておらず、クローズドソースのAIであるChatGPTのサブスクリプション料金を収益としているOpenAIとは事情が異なるからです。

ザッカーバーグCEOは「彼らがやったことを観察するだけでなく、DeepSeekの資料を読んで実装することも可能で、それは私たちにとっても有益でしょう。私たちは最高レベルのモデルと競合できるモデルを持っており、それを無料で提供しています。月に20ドル(約3000円)や200ドル(約3万円)を取ったりはしていません。無料なんです。しかし、私は今、さらに多くの事ができるんじゃないかと思っています」と述べました。

また、ザッカーバーグCEOはTikTokの今後の展開についても言及し、「最大のライバルのひとつであるTikTokに何が起こるかはコントロールできませんが、TikTokがどうなろうとも、FacebookとInstagramのReelsは成長し続けると私は確信しています」と話しました。