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Facebookが10年以上秘密を保ってきた社内ミーティングの音声データがリークされる、その内容とは?

by JD Lasica

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは、世界中から注目を集めるテクノロジー業界の重要人物です。そんなザッカーバーグCEOがFacebook社員を集めた参加型ミーティングで話した内容の音声データが、何者かによってリークされたことが明らかとなりました。

In leaked audio, Mark Zuckerberg rallies Facebook against critics, competitors, and Elizabeth Warren - The Verge
https://www.theverge.com/2019/10/1/20756701/mark-zuckerberg-facebook-leak-audio-ftc-antitrust-elizabeth-warren-tiktok-comments

Facebook leaks may have come from an intern - Vox
https://www.vox.com/recode/2019/10/1/20894108/facebook-leak-intern-mark-zuckerberg


ザッカーバーグCEOは10年以上にわたり、Facebook社員を集めた参加型ミーティングを毎週開催しています。テクノロジー系メディアのThe Vergeのケーシー・ニュートン記者は、7月に行われた2つのミーティングで録音されたザッカーバーグCEOの音声データを入手し、社員からの質問に答えるザッカーバーグCEOの発言を公開しました。

2020年のアメリカ大統領選挙に出馬を表明しているエリザベス・ウォーレン氏をはじめとする一部の政治家が、「Facebookのような大企業を解体すべき」と主張していることに関する社員の質問に対して、ザッカーバーグCEOは「もしウォーレン氏が大統領に選出されれば、私たちは法的挑戦を受け、それに勝利すると確信しています。しかしそれはよくないことです。私は政府に対する重大な訴訟に直面したくありません」とコメント。さらにザッカーバーグCEOは、「FacebookやGoogle、Amazonといった巨大テクノロジー企業を解体しても問題は解決されません」と主張しています。なお、該当部分が抜粋された音声は、The Vergeのサイトから聞くことができます。


近年ではFacebookに対する社会の目も厳しくなりつつあり、社員から寄せられた質問の中には、Facebookの先行きやザッカーバーグCEOの対応に関するものも多かった模様。アメリカ国外の議会での証言をザッカーバーグCEOが拒否している点については、「私は世界中で開かれる全ての聴聞会に行くつもりはありません。多くの人々がそれを望んでおり、私はケンブリッジ・アナリティカの問題についてアメリカで聴聞会に出席し、EUでも証言を行いました。私の証言を望む全ての国々の聴聞会に出席することは、全く理にかなっていません」と答えています。


また、2019年には「Facebookのコンテンツを監視するモデレーターたちが劣悪な労働環境に置かれている」という報道が話題となり、この点についても社員からの質問が寄せられました。一連の報道についてザッカーバーグCEOは、「一部のレポートは少し過激すぎると思います」と述べ、全てのモデレーターが常にひどいコンテンツを見せられているわけではないと指摘。その一方で、時にはモデレータがひどいコンテンツに対処しなければならないケースがあると認め、労働者が適切なカウンセリングを受け、休息を取り、必要な精神的健康のサポートを提供することは非常に重要だと述べました。


ほかにもザッカーバーグCEOは、「Facebookが安全のために投資する金額は、Twitterの総収入よりも多いです」と発言して社員たちの笑いを誘うなど、公開された音声データはザッカーバーグCEOと従業員との温度感について物語るものとなっています。

なお、今回The Vergeが公開した音声データについて、ザッカーバーグCEO自身もリンク付きで触れています。「私は毎週Facebookで質疑応答を行い、従業員が何か尋ねたり、プロジェクトや課題についてオープンに共有しています」「当初は公開されることを意図していませんでしたが、すでに公開されてしまっており、フィルタリングされていない私の考えに興味がある人は内容をチェックできます」と、ザッカーバーグCEOはコメントしました。


ザッカーバーグCEOは特にダメージを受けていないように見えますが、海外メディアのVoxは、「重要なのはリークされた内容ではなく、リークされたという事実そのものではないか」と指摘しています。10年以上にわたって全社員参加型のミーティングを開いていたザッカーバーグCEOですが、これまでミーティングで話された内容はほとんどリークされませんでした。


Facebookに対する外部の世界からの関心、ミーティングに参加する社員の人数などを考慮すると、たとえ秘密を漏らさないポリシーがあったとしても、長年にわたり内容がリークされていない点は驚くべきことだとVoxのピーター・カフカ記者は主張します。

2017年の記事によると、Facebookではオープンな社内文化が作られている一方で、情報漏えいについてはしっかりとした協定が存在しており、新入社員にはメディア研修を受けさせて「社内情報を漏らした場合は解雇されることがある」と警告しているとのこと。また、ザッカーバーグCEO本人も毎週の質疑応答ミーティングが非公開であることを定期的にリマインドしているそうです。

加えて大きな抑止力となっているのが、Facebookの社員たちが持つ「恥」の感覚だそうです。従業員たちは秘密を守る重要な動機として、同僚からのプレッシャーに言及しています。「誰かがFacebook内の情報を漏らした場合、人々は腹を立てるでしょう」「あなたは家族を裏切ることができません」と、Facebookの元従業員は語っています。

by philm1310

今回の音声データのリークは、社内の秘密を守る文化が根強いFacebookからのめったにないリークとして、注目する価値があるとカフカ氏は指摘します。Facebookの従業員数が4万人近いことを考えれば、いつか誰かが情報をリークするであろうことは予想できたことですが、それでも実際にリークされたという事実は重要だとのこと。

カフカ氏はニュートン氏に音声データのリーク源について尋ねてみましたが、当然ながらニュートン氏はコメントを控えました。リークした本人が名乗り出る可能性もほぼありませんが、情報筋によるとThe Vergeが公開した音声データの1つは、インターン生に向けられたイベントで録音されたものだったそうです。この点からリークした人物はフルタイムの従業員ではなく、インターン生である可能性もあるとカフカ氏は述べました。

by Startup Stock Photos

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in メモ, Posted by log1h_ik

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