FacebookのザッカーバーグCEOが2019年の目標を発表、「テクノロジーの未来についての公開討論を定期的に行う」と宣言

by Anthony Quintano

個人情報やセキュリティの問題で激動の2018年を送ったFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOが、2019年の抱負と目標を自身のFacebookページに投稿しました。投稿によると、ザッカーバーグ氏は「社会におけるテクノロジーの未来」をテーマにさまざまな人物と定期的に公開討論を行い、その内容を自身のSNSページを通じて発信していくとのことです。

Mark Zuckerberg - Every year I take on a personal... | Facebook
https://www.facebook.com/zuck/posts/10106021347128881

ザッカーバーグ氏は毎年Facebookで新年の目標を公開していることで知られています。例えば、2016年1月には「自宅用のAI(人工知能)の開発」を目標に挙げていて、俳優のモーガン・フリーマンの声でしゃべる執事AIを本当に完成させ、ザッカーバーグ氏の自宅に導入した様子を2016年末に公開しています。それ以外にも中国語を勉強したり、月に2冊以上の本を読んだり、1日1マイル(約1.6km)を走ったりと、ザッカーバーグ氏はこれまで数多く新年の目標を掲げて実行に移してきました。

2018年3月、Facebookのユーザー5000万人以上の個人情報をケンブリッジ・アナリティカが不正に利用していたことが報じられました。ザッカーバーグ氏はこの疑惑を認め、アメリカ議会から証人喚問を受けました。

5000万人のユーザーデータを不正利用されたFacebookのザッカーバーグCEOが間違いを犯したと認める - GIGAZINE

ケンブリッジ・アナリティカのスキャンダルによって、Facebookは月間13億回ものアクセスを喪失したと報じられています。また、2018年9月には5000万人分のアクセストークンが盗まれてしまい、同年12月には150以上の企業にユーザーへの個人情報へのアクセスを許可していたことが判明するなど、Facebookの個人情報の取り扱いやセキュリティについて多くの問題が発覚。2018年はFacebookにとって苦難の続く年となりました。

2018年12月19日のFacebookへの投稿で、ザッカーバーグ氏は「私の2018年の個人的な課題は、選挙への干渉を防ぎ、憎しみの言葉や誤った情報を広めないようにし、人々が自分の情報を確実に管理できるようにすることでした」とコメント。そして「Facebookは2016年、あるいは1年前とは大きく異なる会社となりました。私たちは会社のDNAを根本的に変更し、すべての被害防止に重点を置いています。現在3万人以上の人々が安全対策に取り組んでいて、毎年数十億ドル(数千億円)をセキュリティに投資しています」と述べていました。

そして、ザッカーバーグ氏は2019年1月9日の投稿で「私たちが住みたいと考える世界とその中のテクノロジーの位置付けには大きな疑問が非常に数多く存在します」と述べ、時代の進歩と共に社会でのテクノロジーのあり方に変革が必要だと主張。その上で、2019年の目標に「社会におけるテクノロジーの未来、すなわちテクノロジーが社会にもたらす機会や挑戦、希望、不安について一連の公開討論を主催すること」を設定しています。

この公開討論は数週間ごとに行われるとのこと。ザッカーバーグ氏はFacebookのコミュニティのリーダーやさまざまな分野の専門家といろんな形式で対話を行い、その内容はザッカーバーグ氏のFacaebookやInstagramのページなどで公開される予定だそうです。

by iphonedigital

ザッカーバーグ氏は「私はエンジニアです。私はこれまで自分のアイデアを自分自身で組み上げてきたし、他人にもそうすることを要求してきました。しかし私たちが行っていることの重要性を考えると、それではうまくいきません。だから、私はこの公開討論で自分をさらけ出して真剣に取り組み、私たちの望むべき未来のために討論を行うつもりです」と語っていて、一連の公開討論の企画に対して並々ならぬ意欲を示しています。