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共通の目的を持った人々がバーやレストランに集うドイツ文化「シュタムティッシュ」とは?

by Ernie Trölf

ドイツに存在する、共通の目的を持つ人々がバーやレストランに集まってアルコールを飲みながら語らう「Stammtisch(シュタムティッシュ)」と呼ばれる伝統的な文化について、海外メディアのNPRが語っています。

How I discovered a German way to fight loneliness: The Stammstich : NPR
https://www.npr.org/2024/12/22/nx-s1-5233033/holidays-loneliness-cure-stammtisch


「Stamm(木の幹)」と「Tisch(机)」という2つの単語からなる「Stammtisch」は、「常連客の集まり」を意味しており、共通の目的を持つ人々が定期的にバーやレストランに集まり、ビールなどのアルコールを飲みながら語り合うという古くからのドイツの伝統です。

伝統的にドイツの多くのバーやレストランには、常連客専用の大きな円卓があり、そのテーブルを常連客同士で囲むのがStammtischです。NPRによると、時に外国人旅行客が知らず知らずのうちにそのテーブルに座ってしまい、バーテンダーに追い払われてしまうこともあるそうです。

1980年代~2000年代初頭に生まれたドイツの人々は「Stammtischは親や祖父母がやること」と捉えていましたが、近年では若い世代にもStammtischが浸透してきており、45歳のドイツ人男性のロバート・クリストッフェル氏は「最近、私の友人らはStammtischを開催するようになりました」と述べています。


ヴェルナー・ハイン氏はNPRに対して「男性は他人に対して弱音を吐こうとしない傾向がありますが、Stammtischの雰囲気の中で人々は次第にオープンになり、個人的な感情などさまざまな事柄を吐露するようになります」と述べており、「StammtischはZoomなどのオンライン上で開催するのは困難です」と語りました。

実際にNPRの記者であるローレル・ワムズリー氏はベルリンで開催されたStammtischに参加し「単にお酒を飲むだけでなく、毎月の集まりが互いの友情を深めていきました」と振り返っています。


伝統的にStammtischは男性同士のグループで開催されることが多いそうですが、近年では女性も含んだグループでも開催されることもあります。また、ハイン氏によると、ドイツでは伝統的に女性がカフェに集まりコーヒーとケーキを注文して語り合う「Kaffeekränzchen」というStammtischに近しい文化があるとのこと。

NPRはKaffeekränzchenについて「こうした催しは仕事や家庭環境などのプレッシャーを抱える女性にとって、良い雰囲気と他者からの共感を得られる貴重な機会となっています。多くの女性がKaffeekränzchenを義務感から参加するのではなく、楽しみにしているようです」と語りました。

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in メモ, Posted by log1r_ut

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