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100年以上も見知らぬ他人同士を結び付けてきた世界で最もロマンチックな郵便箱「花婿のカシ」


出会い系アプリが登場するはるか以前、1890年代から見知らぬ他人同士を結びつけてきたという「Bräutigamseiche(花婿のカシ)」と呼ばれる木がドイツに存在します。花婿のカシ宛に届いた手紙は木の節穴に入れられ、誰でも読んで返事を書くことが可能で、花婿のカシを通して、これまでに何と100組以上の夫婦が生まれています。

BBC - Travel - In Germany, the world’s most romantic postbox
http://www.bbc.com/travel/story/20180213-in-germany-the-worlds-most-romantic-postbox

ドイツ・ハンブルクのDodauer Forstに存在する花婿のカシは、樹齢500年の大木で、はしごがかけられており、週に6日、郵便配達人はそのはしごの先にある割れ目に手紙を届けます。


といっても、木の回りに誰かが暮らしている気配はありません。花婿のカシは、実は今でいう出会い系アプリのような役目を何十年にわたって果たしてきた木なのです。花婿のカシを通して結婚したカップルは100組を超えると言われており、今では世界中からさまざまな言語で手紙が届きます。1984年から郵便を配達し続けているKarl-Heinz Martensさんは、「インターネットでは事実と質問を使って人をマッチさせますが、この木では、美しい偶然が人をマッチさせるのです。まるで運命みたいに」と語っています。

手紙の内容はさまざまですが、「私は53歳の男やもめです。身長は175cmで、Ostholsteinに住んでいます。やせ形から中肉の体形で、愛すべき、誠実なパートナーを探しています。近いうちに会いましょう」といった自己紹介と求める相手の条件を書いたものも多いようです。

これが花婿のカシ。


節穴に手紙が投函されている様子。


実際に自らの手で手紙を届ける女性。


2018年現在では見知らぬ他人同士を結びつける花婿のカシですが、128年前には、秘密の恋人同士を結びつける役目を果たしていました。1890年、地元に住んでいたMinnaという女性はチョコレート職人のWilhelmと恋に落ちましたが、Minnaの父親は2人が会うことを禁じていました。そこで2人はカシの木の幹の節穴に手紙を残し、文通を続けました。1年後、Minnaの父親はついに2人の結婚を認め、1891年6月にカシの木の下で結婚式が行われたそうです。

この話はドイツ中に広まり、出会いのチャンスに恵まれなかった人が次々に花婿のカシ宛てに手紙を出すようになります。あまりにも手紙が押し寄せたため、ドイツの郵便サービスはカシの木自体に郵便番号をつけ、郵便配達人を割り当てたとのこと。それ以来、カシの木の節目に届くようはしごが設けられ、誰でも木の中に投函された手紙を読むことができるようになりました。気になる人がいれば手紙に返事を書くのは自由ですが、1つだけルールが存在し、もし読んだ手紙に返事を書く気がないのならばその手紙は他の誰かが読めるように木の中に戻さなければなりません。

カシの木に手紙が届けられるようになってから91年間、週6日は郵便配達人が手紙を届け続けています。20年にわたって配達人を務めるMartensさんは歴代の中で最も長い期間、手紙を届けている人物ですが、カシの木宛ての手紙がなかった日はわずか10日だといいます。全てがラブレターではないものの、多い時では50通もの手紙を届けたとのこと。特に東西ドイツの統一前は東ドイツの人々から「西ドイツの車や音楽はどんなものなのか」を問うた内容の手紙も届いたそうです。「私は返事を書きたかったのですが、上司が止めたんです」とMartensさん。


花婿のカシを通じて結婚したカップルは数多く存在します。1988年には東ドイツに住むClaudiaという名の19歳の少女が文通相手を探して花婿のカシに手紙を出し、西ドイツに住む少年・Friedrich Christiansenが返事を書きました。2人は40通もの手紙をやりとりし、やがて恋に落ちましたが、東西が分断されていたため会うことはかないませんでした。しかしその後、ベルリンの壁が崩壊したことで2人はようやく会えるようになり、1990年5月に結婚したといいます。


そして1989年にドイツのテレビ局が花婿のカシを特集し、Martensさんをテレビ番組で映し出すと、Martensさん宛の手紙が届いたとのこと。手紙には「あなたは私のタイプです。そして私は今1人。あなたに会えたらと思っています」と書かれており、手紙に返信したMartensさんは1人の女性と出会い、1994年にその女性と結婚。以来、24年間Martensさんは花婿のカシを通じて知り合った女性と結婚生活を送っているそうです。

Martensさんが郵便配達を始めたころ、花婿のカシは健康だったそうですが、数年前に木の内部が真菌に感染していることが判明しました。感染が広まるのを防ぐため、カシの木は大枝を何本も切り落とす必要に迫られたといいます。そして同時期にMartensさんも白血病と診断されたことから、「私たちの間には特別なつながりがあるのだと思います」とMartensさんは語りました。

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in メモ, Posted by logq_fa

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