「OpenAIが15兆円の利益を出すAIを開発したら汎用人工知能(AGI)達成とする」という内容でMicrosoftとOpenAIは合意している
人間ができるありとあらゆる知的タスクをこなせる「汎用人工知能(AGI)」はAI開発の最終目標とされていて、OpenAIやGoogle、Metaなどが開発に取り組んでいます。実際のところ、汎用人工知能の実現にどれぐらい近づいているのかは専門家によっても見解が分かれるところなのですが、MicrosoftとOpenAIはAGIを性能ではなく財務的な指標で定義していて、「OpenAIが少なくとも1000億ドル(約15兆円)の利益を出すAIを開発できたら汎用人工知能の開発を達成したものとする」という内容で合意していることがわかりました。
Microsoft and OpenAI’s Secret AGI Definition — The Information
https://www.theinformation.com/articles/microsoft-and-openais-secret-agi-definition
Microsoft and OpenAI have a financial definition of AGI: Report | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/12/26/microsoft-and-openai-have-a-financial-definition-of-agi-report/
ニュースサイト・The Informationが、OpenAIとMicrosoftの間で交わされた「汎用人工知能」に関する合意の存在を報じました。
合意内容は、汎用人工知能の開発を「OpenAIが少なくとも1000億ドルの利益を生み出すAIを開発したとき」と定義するもの。これは、汎用人工知能について、広く用いられている「人間がこなせるありとあらゆる知的タスクをこなせるようなAI」のような技術的定義とはかけ離れたものです。
ただし、この合意はOpenAIとMicrosoftとの間で交わされている「OpenAIが汎用人工知能を開発したら、MicrosoftはOpenAIの技術にアクセスできなくなる」という契約条項の存在が影響しているとの指摘があります。
なお、OpenAIは「GPT-5」の開発でさまざまな問題に直面しており、赤字は数十億ドル(数千億円)単位に上るとみられています。
OpenAIは次世代AIモデル「GPT-5」の開発で次々と問題に直面しておりコストが膨らんでいる - GIGAZINE
OpenAIの黒字転換は早く見積もっても2029年以降だと考えられています。
汎用人工知能を目標としたAI開発はOpenAIのほかGoogleやMetaも行っていて、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは「責任を持ってオープンソース化を目指す」とも述べています。
Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが汎用人工知能(AGI)の開発とオープンソース化を目指すと発表、35万台のH100を含む計算インフラも構築中 - GIGAZINE
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