Microsoftはライバルの2倍にあたる48万5000基もNVIDIAのHopper GPUを購入、ByteDanceとTencentがそれぞれ約23万基、Metaが22万5000基
OpenAIに累計130億ドル(約2兆円)を投資しているMicrosoftが、2024年におけるNVIDIA製GPUの購入数で他社を大きく引き離していることが明らかになりました。Microsoftの積極的な半導体調達は、次世代AI開発における優位性確保を目指す動きとして注目されています。
Microsoft acquires twice as many Nvidia AI chips as tech rivals
https://www.ft.com/content/e85e43d1-5ce4-4531-94f1-9e9c1c5b4ff1
Microsoft bought twice as many Nvidia Hopper GPUs as other big tech companies - report - DCD
https://www.datacenterdynamics.com/en/news/microsoft-bought-twice-as-many-nvidia-hopper-gpus-as-other-big-tech-companies-report/
テクノロジーコンサルティング企業であるOmdiaの分析によると、Microsoftは2024年にNVIDIAのHopperアーキテクチャを採用するH100 GPUを48万5000基購入しているとのこと。同じくAI開発を積極的に行うMetaが調達したH100 GPUは22万4000基で、Microsoftの購入数はMetaの2倍以上に匹敵します。また、中国のByteDanceとTencentはそれぞれ約23万基、Amazonが19万6000基、Googleが16万9000基のNVIDIA製GPUを購入しています。
Omdiaによると、2024年のサーバー投資は世界全体で2290億ドル(約35兆4000億円)に達する見込みで、そのうち43%がNVIDIAにつぎ込まれているとのこと。OpenAIへの巨額投資で知られるMicrosoftも、自社のAIアシスタントであるCopilotの運営や、クラウドコンピューティングサービスのAzureを通じた顧客サービスの提供に向けてデータセンターインフラの整備を加速させており、Microsoftの2024年のチップ調達量は2023年の3倍以上に達しています。
また、業界全体では独自AIチップの開発も進んでいます。MetaとGoogleはそれぞれ約150万個の自社製チップを展開し、Amazonも独自チップ「Trainium」と「Inferentia」を約130万基導入するなど、NVIDIAへの依存度低減を図っています。
しかし、MicrosoftはNVIDIAに対抗できるような独自AIアクセラレータの開発・展開で遅れを取っています。Microsoftが独自に設計したAI特化型チップ「Maia 100」は2023年11月に発表され、2024年に自社データセンターへようやく配備されるようになったものの、記事作成時点でその導入数は約20万基にとどまっているとのこと。
MicrosoftのAzureグローバルインフラストラクチャ担当シニアディレクターであるアリスター・スピアーズ氏は経済メディアのFinancial Timesに対し、「優れたデータセンターインフラは非常に複雑で、多額の資本を必要とするプロジェクトです。計画には複数年を要し、成長予測に若干の余裕を持たせることが重要です。AIインフラを構築する上で、最高のチップを持っているだけでは十分ではありません。適切なストレージコンポーネント、適切なインフラ、適切なソフトウェア層、適切なホスト管理層、エラー修正、そしてそのシステムを構築するための他のすべてのコンポーネントを持つことも重要です」と述べています。
なお、NVIDIAの次世代チップ「Blackwell」の開発には課題も浮上しています。市場調査企業のTrendforceによれば、Blackwellには72チップ構成のデータセンターラックでの過熱問題が報告されたため、NVIDIAは納品を延期すると発表したとのこと。また、GB200の設計仕様が高度化したため、サプライチェーンの最適化と調整に時間が必要となり、本格的な出荷は2025年第2四半期から第3四半期まで延期される見通しだそうです。
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