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AI分野でのNVIDIA一強状態を崩すためにIntel・Google・富士通・Armなどが参加する業界団体がCUDA対抗のAI開発環境を構築中


NVIDIAはAI開発に使われるGPUで大きなシェアを獲得しているほか、ソフトウェア開発および実行環境「CUDA」もAIの開発現場で広く採用されています。そんなNVIDIAの一人勝ち状態に対抗するべく、Intelや富士通、Google、Armなどのテクノロジー企業が参加する業界団体「Unified Acceleration Foundation(UXL Foundation)」がオープンなソフトウェア開発環境の構築を進めています。

UXL Foundation: Unified Acceleration
https://uxlfoundation.org/


Unified Acceleration (UXL) Foundation
https://www.intel.com/content/www/us/en/developer/articles/news/unified-acceleration-uxl-foundation.html

Exclusive: Behind the plot to break Nvidia's grip on AI by targeting software | Reuters
https://www.reuters.com/technology/behind-plot-break-nvidias-grip-ai-by-targeting-software-2024-03-25/

NVIDIA製のGPUは高い処理性能を備えていることからAIの開発現場で広く採用されており、NVIDIA製のソフトウェア開発および実行環境「CUDA」も多くの開発現場で採用されています。また、CUDAがNVIDIA製GPUのみを対象としたシステムであることから、CUDAでの開発に慣れ親しんだ開発者がNVIDIA製GPUを選ばざるを得ない状況も生まれています。


UXL Foundationは、Intelが開発を主導するソフトウェア開発環境「oneAPI」をもとにした新たなソフトウェア開発環境の構築を目指す業界団体で、2023年9月にArm・富士通・Google・Imagination Technologies・Intel・Qualcomm・Samsung・VMwareといった企業によって設立されました。また、UXL FoundationはLinux Foundationの下部組織として設立されており、技術仕様やソフトウェアのソースコードをオープンに保つことを宣言しています。

CUDAがNVIDIA製GPUのみを対象としているのに対して、oneAPIは対応メーカーを制限せず、対応ハードウェアもCPU・GPU・FPGA・AIアクセラレータなど多岐に渡ります。また、CUDAがクローズドソースなシステムであるのに対して、oneAPIはオープンソースプロジェクトとして開発されています。UXL FoundationはoneAPIをさらに発展させることで、「ソフトウェアを開発する際にターゲットとするプロセッサの種類を考慮する必要のない環境」の実現を目指しているというわけです。


これまでUXL Foundationは開発環境の仕様確定時期を明確にしていませんでしたが、2024年3月26日にロイターが「UXL Foundationは2024年上半期に仕様を確定するべく準備を進めている」と報道。さらに、UXL Foundationがすでにサードパーティーからの技術貢献を受けていることや、NVIDIA製ハードウェアのサポート計画の存在も報じられています。また、QualcommでAIおよび機械学習部門の責任者を務めるビネシュ・スクマール氏はロイターに対して「私たちは、開発者に対してNVIDIAのプラットフォームからの移行方法を示しているのです」と語り、CUDAへの対抗姿勢を示しています。

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in ソフトウェア, Posted by log1o_hf

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