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第二次世界大戦で日本を欺いたナバホ族最後の「コードトーカー」が107歳で死去


アメリカ先住民ナバホ族の通信士として、ナバホ語を元にした暗号で太平洋戦争における連合軍の勝利に貢献した暗号話者「コードトーカー」の最後のひとりであるジョン・キンセル氏が、2024年10月19日に亡くなっていたことがわかりました。

John Kinsel Sr., Navajo Code Talker in World War II, Dies at 107 - The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/10/20/us/navajo-code-talker-john-kinsel-dead.html

John Kinsel used his own language to fool the Japanese
https://www.economist.com/obituary/2024/12/05/john-kinsel-used-his-own-language-to-fool-the-japanese

ナバホ・ネイションのブウ・ニグレン大統領はFacebookへの投稿で、「ナバホのコードトーカーである、故ジョン・キンセル氏(107歳)の遺族に哀悼の意を表します」と述べて、キンセル氏が亡くなったことを発表しました。


1942年10月から1946年1月まで兵役に就いていたキンセル氏は、ナバホ語を使った暗号を開発した最初の29人に続く暗号話者、つまりコードトーカーとしての訓練を受けた第2陣の海兵隊員のひとりでした。


最初のグループは自らを「ウィンドトーカー」と呼んでおり、その活躍を題材にしたフィクション映画の「ウインドトーカーズ」が2002年に公開されています。

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第二次世界大戦中の日本の暗号解読者は優れた解読能力を持っていたといわれていますが、ナバホ語は文字がなく複雑であったため、解読はほぼ不可能でした。これを利用し、ナバホ族のコードトーカーらは手りゅう弾は「ジャガイモ」、水陸両用車は「カエル」、急降下爆撃機は「チキンホーク」、12月は「固まった雪」という具合に、軍事用語をナバホ語に言い換えて部隊の動きや敵軍の位置などを伝え合いました。

キンセル氏も3つの暗号の開発を手伝っています。1つ目は戦車を意味する「亀」で、2つ目は飛行機全般を指す「鳥かご(bird carriers)」です。ルートを意味する3つ目の「ウサギ道」は、キンセル氏自身が考案したものだったとのこと。


日本は最後までナバホ語の暗号を解読できず、コードトーカーらは太平洋戦争における連合軍の勝利に大きく貢献しましたが、キンセル氏はそのことを自慢せず、多くを語りませんでした。

キンセル氏は、自分がどう活躍したかより共同体や部族、あるいは海兵隊の一員であったことを重んじており、戦争の経験を語るときも「私(I)」ではなく「我々(We)」を使ったといわれています。

ニグレン大統領は「キンセル氏は海兵隊員であり、ナバホ族のコードトーカーとして最大の責任を負いながら、最も恐ろしい状況下で勇敢かつ無私の心で私たち全員のために戦ってくれました。彼は戦友たちとともに、アメリカの海兵隊のため、アメリカのため、そして戦時下のナバホ・ネイションを守るために戦ったのです」と述べました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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