中国がNVIDIAに対して独占禁止法調査を開始
NVIDIAは2020年に69億ドル(約1兆円)でイスラエルの半導体メーカー・Mellanoxを買収しました。中国当局はこの買収を承認した際に設定された条件にNVIDIAが従っていないとして、独占禁止法違反の疑いで同社に対する調査を開始したことが報じられています。
Nvidia Faces Antitrust Investigation in China - The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/12/09/technology/china-nvidia-investigation-antitrust-ai.html
China Targets Nvidia (NVDA) For Potential Breaches of Anti-Monopoly Law - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-12-09/china-targets-nvidia-for-potential-breaches-of-anti-monopoly-law
China opens an antitrust investigation into Nvidia - The Verge
https://www.theverge.com/2024/12/9/24317016/nvidia-mellanox-antitrust-china-ai-chips
NVIDIAは2019年にイスラエルのデータセンター向け通信インフラ機器メーカーであるMellanoxの買収を発表しました。Mellanoxは1999年にチップメーカーとして設立され、2009年にはネットワークのエンドツーエンドシステムを開発するメーカーとなりました。NVIDIAがMellanoxを買収する理由は、ゲーミングPC市場やマイニング市場への依存を減らし、高速通信技術を獲得するためだとみられていました。
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by BagoGames
NVIDIAはMellanoxを買収した後、「DGX A100」というGPUを発表しました。NVIDIAのジェン・スン・フアンCEOはDGX A100発表時に、「現代のデータセンターの設計方法を見ると、処理しなければならないワークロードがこれまで以上に多様化していることがわかります。今後の当社のアプローチは、サーバー自体に焦点を合わせるのではなく、データセンター全体をコンピューティングユニットとして考えることです。今後、世界はデータセンターをコンピューティング ユニットとして考え、当社はデータセンター規模のコンピューティングについて考えるようになると思います。もはやパーソナルコンピューターやサーバーだけではなく、データセンター規模で運用することになります」と述べ、Mellanox買収の重要性を語りました。
それ以来、AIチップおよびサーバーの需要は増加し続けており、それに伴い同分野に注力してきたNVIDIAの市場価値は2000億ドル(約30兆円)未満から3兆ドル(約450兆円)超にまで増加。ついにNVIDIAの市場価値はMicrosoftやApple、Googleといった名だたる大企業を上回ることとなりました。
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中国の規制当局はNVIDIAによる独占を回避するため、Mellanox買収時に「Mellanoxの新製品情報を90日間以内に国内の他のチップ製造企業に提供する」という条件をNVIDIAに提示し、同社はこれを受け入れました。しかし、この条件をNVIDIAが順守しなかったとして中国の規制当局は調査を開始しています。
なお、アメリカ司法省も独占禁止法違反の疑いでNVIDIAに対する調査を実施しています。
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