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インディーゲーム開発者が最初のゲームを1か月で60万本以上販売できた理由とは?


スタジオ初のゲームでありながら1カ月足らずで約61万6000本売れ、ユーザーレビューも「圧倒的に好評」を維持しているインディーゲーム「Tiny Glade」について、ゲーム販売のコンサルタントを行うサイモン・カーレス氏が開発者へのインタビューを織り交ぜつつ、「なぜ売れたのか?」を考察しています。

How Tiny Glade 'built' its way to >600k sold in a month!
https://newsletter.gamediscover.co/p/how-tiny-glade-built-its-way-to-600k

Tiny Gladeは箱庭で城を建築するゲームで、目的や報酬がなくただ好きなように建築物をデザインするという作品になっています。Steamでは「心地よい」「中世」「かわいい」などのタグが付けられていて、2024年9月24日に正式リリースされて以来、順調に売れ続けているとのことです。

開発者が共有した情報によると、リリースから1カ月が経過した時点で販売数は61万6528件、デイリーアクティブユーザーは3万4496人いるとのことです。


驚くべきはSteamのウィッシュリストに193万件以上も登録されていること。カーレス氏はこの点も踏まえ、Tiny Gladeが成功した理由について「バズった初期のツイートや、ゲームの宣伝イベント『Future Games Show 2023』で出したトレーラー、そしてそれ以降に至るまで、このゲームが出してきたすべての映像またはデモが、『ゲームの中で物を作るのはとても楽しいよ、遊んでよ!』とアピールしていたからだと考えています」と指摘しました。

実際、開発者らはリリース前から積極的にデモ版をプレイしたユーザーの映像を共有しており、リリース時には非常に多くのプレイヤー、ストリーマー、インフルエンサーがこのゲームを推奨するなど、「宣伝」の効果は非常に大きかったと見られます。


なお、Tiny Glade購入者の国別統計はアメリカが32%、ドイツ9%、フランス7%、イギリス7%、中国7%、カナダ4%、ロシア4%、オーストラリア3%、オランダ2%、日本2%となっていたそうです。

カーレス氏が運営するGameDiscoverCoのデータでは、Tiny Gladeをプレイする人は「Planet Zoo」のような建築運営シム、Unpackingのようなリラックスできるゲーム、「Manor Lords」のような中世の街作りゲームを所有している割合が高いという結果が出ているといいます。


インタビューで「失敗体験のないゲーム」を作った理由を問われた開発者は、「私たちが作りたかったのは、逃避できるような穏やかな空間、子どもの頃の感覚です。ハイテンションなゲームを求めることもあれば、のんびりとイマジネーションの赴くままにプレイしたいこともあります」と回答。「少ない労力から多くのものを得る」「間違った答えを出さない」「ユーザーが作ったものに、ツタ、鳥、羊など世界が反応するようにする」などにこだわったと述べました。

実際、Tiny Gladeはオブジェクトをクリックして引っ張るだけで屋根の形を変えたり、塀を伸ばしたりできるので、「少ない労力から多くのものを得る」というデザインはこのゲームの大きな肝と言えます。

カーレス氏は「信じられないほどよくできたゲームが売れるというのは自明のことですが、このゲームは『ゴールがない』という点でかなり特殊で、そんなゲームがこれほど売れたという事実は面白いです」と述べました。

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in ゲーム, Posted by log1p_kr

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