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Epic Gamesはなぜ毎週のように無料でゲームを配信しているのか


ゲーム配信プラットフォームを運営する「Epic Games」は、2018年12月以来、毎週数本のゲームを無料で配信するキャンペーンを行っています。Epic Gamesの年末報告書によると、2020年に無料配信されたゲーム数は103本、ダウンロード回数は7億4900万回以上だとされていますが、なぜEpic Gamesがこれだけのサービスを提供しているのか、海外メディアのThe Vergeが解説しています。

Three reasons why Epic Games can give away $17.5 billion worth of games for free - The Verge
https://www.theverge.com/2021/4/12/22380895/epic-games-store-afford-give-away-17-5-billion-free-games

Epic Gamesは、競合するゲーム配信プラットフォーム「Steam」と対抗するため、自社が運営するゲーム配信プラットフォーム「Epic Gamesストア」でいくつかのゲームを独占販売したり、無料でゲームを配布したりといった対抗策を取っています。配布されるタイトルはインディーゲームだけでなく、AAA級の人気ゲームが含まれることもあり、2年以上定期的に配布が行われています。

Epic Gamesから公平な競争を求めて訴訟を受けているAppleが裁判所に提出した調査報告書によると、Epic Gamesはゲーム配信元に対し、独占販売を行うための「最低保証金」として4億4400万ドル(約480億円)を用意していたとのこと。しかしEpic Gamesが公開した2020年の売上を確認してみると、サードパーティー製ゲームの売上は2億6500万ドル(約290億円)であり、最低保証金額に満たないことが分かります。Appleの調査によると、最低保証金のうち3億3000万ドル(約360億円)が未回収であり、損失として計上されているとのこと。
Epic GamesはSteamと対抗するために約300億円の損失を生み出している - GIGAZINE


The Vergeは、無料で配布されていたゲームがすべて希望小売価格で販売されていた場合、その合計売上額は175億ドル(約1兆9000億円)に上るだろうと試算しています。ただし、これらのゲームは無料だからこそダウンロードされたのだと考えることもできます。最低保証額がどのように決まるかについては、Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOが「ダウンロード回数にかかわらず、開発者と合意に至った金額をまとめて支払っています」と話しています。

スウィーニー氏は、「Appleは『損失』と表現していますが、これは将来的に収益性の高いビジネスを構築するための『投資』です」とツイートしており、ゲームを無料配信することを肯定的に捉えています。ゲームが毎週のように配信されることで多くのプレイヤーがEpic Gamesストアを利用するようになったとこともあり、2020年には1日のアクティブユーザー数が最大3130万人に達したとのこと。

スウィーニー氏はこれら一連のビジネスモデルは「成功」だったと評価しており、今後もこの方針を続けていく姿勢を示しました。

Apple spins this as “losing money”, but spending now in order to build a great, profitable business in the future is exactly what investment is! It’s equally true whether you’re building a factory, a store, or a game.

— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic)

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in ネットサービス,   ゲーム, Posted by log1p_kr

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