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顔認識AIの誤検知のせいで約半年も無実の罪で勾留され家も車も愛犬も失ってしまった女性


アメリカ・テネシー州在住の50歳の女性が、顔認識AIの誤検知のせいで行ったこともない州で起きた銀行詐欺事件の犯人と誤認されてしまい、約半年にわたって無実の罪で勾留されてしまったという恐ろしい事例が報じられました。

AI error jails innocent grandmother for months in North Dakota fraud case - Grand Forks Herald | Grand Forks, East Grand Forks news, weather & sports
https://www.grandforksherald.com/news/north-dakota/ai-error-jails-innocent-grandmother-for-months-in-north-dakota-fraud-case


Tennessee grandmother jailed after AI facial recognition error links her to fraud | Tennessee | The Guardian
https://www.theguardian.com/us-news/2026/mar/12/tennessee-grandmother-ai-fraud

記事作成時点で50歳のアンジェラ・リップス氏は、3人の成人した子どもと5人の孫を持っており、人生のほぼすべてをテネシー州北中部で過ごしました。旅行へ行くにしても近隣の州に限られており、飛行機に乗ったことすらなかったとのこと。


ところが2025年の夏、組織的な銀行詐欺事件の捜査を進めていたノースダコタ州ファーゴの警察が、顔認識ソフトウェアの判断を基にリップス氏を詐欺事件の主犯と断定。7月14日には連邦保安官のチームがリップス氏の自宅を訪れ、4人の幼い子どものベビーシッターをしていたリップス氏に銃を突きつけて連行しました。

リップス氏はノースダコタ州から逃亡した犯人として、テネシー州の郡刑務所に保釈なしで勾留されました。リップス氏はノースダコタ州の地元メディア・WDAY Newsの取材に対し、「本当に恐ろしかったです。今でも何度も何度も、頭の中であの光景がよみがえってきます」「私はノースダコタ州に行ったことがないし、ノースダコタ州出身の知り合いもいません」と語っています。

WDAY Newsが公開記録請求を通じて入手した警察文書によると、ファーゴ警察は複数の銀行詐欺事件の捜査中、ある監視カメラの映像を分析していたとのこと。この映像には、ある女性が偽造した米軍のIDカードを使って数万ドル(数百万円)を引き出す様子が映っており、顔認識ソフトウェアで分析したところ、この女性がリップス氏であると判定されたそうです。以下が監視カメラの映像を切り抜いた画像です。


WDAY Newsのインタビューに答えるリップス氏の画像が以下。


裁判所の文書によると、事件を担当していたファーゴ警察の刑事は、リップス氏のソーシャルメディアアカウントやテネシー州の運転免許証の写真を確認し、リップス氏の逮捕に踏み切ったとされています。警察は起訴状の中で、顔の特徴・体形・髪型・肌の色からみてリップス氏が犯人の可能性が高いと記しましたが、リップス氏はファーゴ警察から事情聴取の電話を受けたことは一度もなかったと証言しています。

結局、リップス氏はテネシー州の郡刑務所で4カ月近くも勾留され、その間にファーゴ警察は個人識別情報の不正使用や窃盗の罪でリップス氏を起訴しました。逮捕から108日後の10月30日、リップス氏はテネシー州からノースダコタ州へと移送され、翌日に裁判所へ出廷したリップス氏は容疑を否認しました。

リップス氏の弁護を担当したジェイ・グリーンウッド弁護士は、リップス氏の銀行口座の記録を入手して捜査官に提出しました。この記録では、ノースダコタ州で詐欺行為が行われていたとされる時間、リップス氏が1900km以上も離れたテネシー州の自宅にいたことが示されていたそうです。グリーンウッド氏は、「彼女は社会保障小切手を預け入れるのとほぼ同時に、ガソリンスタンドでタバコを買い、ほぼ同時にピザを買い、キャッシュアプ​​リを使ってウーバーイーツの料金を支払っていました」と述べています。

すると、12月19日にファーゴ警察はリップス氏とグリーンウッド氏に面会し、リップス氏に対して初めての事情聴取を行いました。そして事情聴取からわずか5日後の12月24日、リップス氏は不起訴となって釈放されました。しかし、リップス氏は逮捕された時と同じ夏服のまま外に出され、ファーゴ警察はテネシー州まで帰る費用すら負担しなかったとのこと。

結局、リップス氏は地元の弁護士や支援団体の助けを得てテネシー州へ戻りましたが、勾留中に支払いができなくなったせいで家や車、そして愛犬まで失ってしまいました。リップス氏はWDAyNewsに対し、依然としてファーゴ警察の誰一人として謝罪に来てはいないと語っています。

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in AI,   メモ, Posted by log1h_ik

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