イーロン・マスクの「投票した人に1億5000万円」寄付するキャンペーンの当選者はランダムに選ばれているわけではないことが明らかに、ただし選挙まで続行可能

イーロン・マスク氏はアメリカ大統領選挙への投票を促すために、有権者に対して「投票したら100万ドル(約1億5000万円)」という報奨プログラムを独自に行っています。この当選者選出が、無作為に行われているわけではないことが明らかになりました。

Elon Musk’s $1 million-a-day voter sweepstakes can proceed | AP News
https://apnews.com/article/musk-million-sweepstakes-lottery-pennsylvania-krasner-4f683c48eb7dcc57f183e54ef16e7320

Elon Musk’s lawyer admits $1 million giveaways to voters aren’t ‘random’ - The Verge
https://www.theverge.com/2024/11/4/24287952/elon-musk-philadelphia-america-pac-hearing-random

マスク氏はアメリカ大統領選挙で激戦区となることが予想されていたペンシルベニア州で、有権者に対して「投票したら100ドル」という報奨プログラムを自身の支援する政治行動委員会で実施しています。しかし、有識者からは投票や有権者登録を強制することは連邦法に違反する行為であるという指摘もありました。

イーロン・マスクが「投票した人に1億5000万円」を寄付すると発表、ただし違法という指摘も - GIGAZINE

フィラデルフィア地方検事のラリー・クラスナー氏は、マスク氏の報酬プログラムがペンシルベニア州の州法に違反しているとして、マスク氏と同氏が支援する政治行動委員会を訴えました。訴状では「マスク氏は当選者の選出は『無作為』だと言っていますが、当選した複数の当選者はペンシルベニア州の集会に現れた個人であるため、これは虚偽の可能性があります」「このキャンペーンは実際に国政選挙に影響を与えるために計画された詐欺行為である」と指摘しています。

これに対して、マスク氏の弁護士を務めるクリス・ゴーバー氏は「プログラムの当選者が無作為に選出されているわけではない」というクラスナー氏の主張を認めました。マスク氏の政治行動委員会で会計係も務めていたというゴーバー氏は、訴訟の公聴会に出席し、報奨金の当選者が「偶然に選ばれるわけではない」と証言しています。さらに、ゴーバー氏は「今日と明日、誰が100万ドルを受け取ることになるかは正確に明らかになっています」と語りました。

マスク氏は100万ドルの報奨金プログラムを発表した際、当選者は無作為に選出されると発言していました。

マスク氏と政治行動委員会はペンシルベニア州、ジョージア州、ネバダ州、アリゾナ州、ミシガン州、ウィスコンシン州、ノースカロライナ州という7つの州で「投票した人に1億5000万円」の報奨金プログラムを提供しています。AP通信によると、これまで100万人以上が請願書に署名しています。

しかし、裁判を担当したアンジェロ・フォグリエッタ地方裁判所判事はマスク氏の報奨金プログラムはアメリカ大統領選挙まで継続できるという判決を下しています。ただし、フォグリエッタ地方裁判所判事は判決の理由を説明しませんでした。