Instagramは視聴回数が少ない動画の画質を下げている
Instagramに投稿される動画には高画質なものもあればなぜか低画質のものもあり、「なぜこの動画だけ低画質なのだろう?」と疑問に思った経験がある人も多いはず。この疑問についてInstagramの責任者を務めるアダム・モッセーリ氏が、「Instagramでは視聴回数が少ない動画の画質を下げている」と説明して話題を呼んでいます。
Instagram saves the best video quality for the most popular content - The Verge
https://www.theverge.com/2024/10/27/24280968/instagram-video-quality-lower-for-less-popular-videos
Instagram is lowering video quality for unpopular videos | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/10/27/instagram-is-lowering-video-quality-for-unpopular-videos/
モッセーリ氏はInstagramのストーリー(24時間で自動削除される投稿)で、ユーザーから寄せられた「ストーリーの画質は時間経過で劣化するのですか?私の動画をハイライトで見るとぼやけています」という質問に答える形で、Instagramの動画の画質について言及しました。すでにストーリーは削除されていますが、Threadsユーザーによって動画が再投稿されています。
モッセーリ氏は動画内で、「一般的に私たちは、可能な限り最高品質の動画を見せたいと思っています」「しかし、長い間視聴されていない動画がある場合、その視聴の大部分が動画の冒頭にあるため、低品質の動画に移行します。そして、動画が再び頻繁に視聴された場合、より高品質の動画を再レンダリングします」と語っています。つまり、Instagramに投稿される動画の画質は、動画のパフォーマンスによって異なる可能性があるというわけです。
Threadsユーザーによってこの回答が拡散されると、Instagramのアプローチに対して疑問や批判が寄せられました。そこでモッセーリ氏はこの投稿に返信し、「これは個々の視聴者レベルではなく、集計レベルで機能します。私たちはより多くの視聴を促進するクリエイターに対して、より高い品質(よりCPU負荷の高いエンコーディングと、より大きなファイルに対する高価なストレージ)に偏っています。これは二元的なものではなく、スライド制です」と補足情報を付け足しています。
さらにモッセーリ氏は、この返信に寄せられた「これでは小規模なクリエイターが競争するのが難しくなるのではありませんか?」というThreadsユーザーの疑問に対し、「それは正しい懸念ですが、実際にはあまり重要ではないようです。なぜなら、人々が動画を見るかどうかは画質よりも内容に基づいており、画質の変化はそれほど大きな要素ではないからです。画質は視聴者よりも、画質が悪いせいで動画を削除する可能性が高いオリジナルの制作者にとって、はるかに重要なように見えます」と回答しました。
なお、Metaが動画のエンゲージメントに応じて画質を変えていることは今回初めて公表されたのではなく、Metaはこのアプローチについて以前からたびたび説明しています。2023年のブログでも、「Metaアプリの全体的な視聴時間のほとんどは、アップロードされた比較的小さな割合の動画によって生成されます。そのため、動画の人気度に応じて異なるエンコーディング設定を使用して処理を行い、圧縮と計算効率をスケールに応じて最適化する必要があります」と述べ、動画の視聴時間に応じて画質が向上するシステムについて言及していました。
MSVP: Meta’s first ASIC for video transcoding
https://ai.meta.com/blog/meta-scalable-video-processor-MSVP/
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