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X/旧Twitterが「ユーザーデータでサードパーティのAIモデルがトレーニングできる」ようにプライバシーポリシーを更新、オプトアウト可能かどうかは不明


2024年10月16日(水)に、Xはプライバシーポリシーの更新を発表しました。この中で「AIと機械学習の明確化」が明言されており、ユーザーのデータをサードパーティーAIのトレーニングに使用できる文言が追加されています。

Updates to our Terms of Service and Privacy Policy
https://privacy.x.com/en/blog/2024/updates-tos-privacy-policy


Elon Musk's X is changing its privacy policy to allow third parties to train AI on your posts | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/10/17/elon-musks-x-is-changing-its-privacy-policy-to-allow-third-parties-to-train-ai-on-your-posts/

Xが発表したプライバシーポリシーの更新は、2024年11月15日に発効するとされています。Xは「AIと機械学習の明確化」のほかに、「準拠法および裁判地の変更」「製品とサービスの仕組みを反映するための更新」などを明らかにしました。また、2024年11月15日以降もXの製品あるいはサービスを利用する場合、更新された利用規約およびプライバシーポリシーに同意したものとみなされると述べています。

今回のプライバシーポリシーで、Xは「お客様が共有する情報を、生成的またはその他の人工知能モデルのトレーニングにどのように使用するかについて明確にするために、プライバシーポリシーに文言を追加しました」と述べています。

Xのプライバシーポリシーを見ると、2024年11月15日以降施行分の「3.情報の共有」に以下の文言が追加されていました。

第三者の協力会社: お客様の設定に応じて、またはお客様がデータを共有している場合、当社はお客様の情報を第三者と共有したり、第三者に開示したりすることがあります。オプトアウトしない場合、情報の受信者は、Xのプライバシーポリシーに記載されている目的に加えて、たとえば、生成型か他のタイプかを問わず、人工知能モデルのトレーニングなど、独自の独立した目的のために情報を使用する場合があります。


XはxAIのチャットボット「Grok」にユーザーの共有するデータを使っていることを公言しています。しかし、今回のプライバシーポリシーに記載されているのは「第三者の協力会社」ということで、xAIに限らず他企業のAIのトレーニングにも使用される可能性があるというわけです。ソーシャルメディア関連のニュースを扱うSocialMediaTodayは「Xは事実上、ユーザーのデータをサードパーティのAI開発者に転売できるようになり、新たな収入源が確保される可能性があります」と述べています。


AIのトレーニングなどに自分のデータを使うことを拒否できる「オプトアウト機能」がが追加されるかは記事作成時点で不明ですが、IT系ニュースサイトのTechCrunchは「お客様の設定に応じて、またはお客様がデータを共有している場合」という部分に注目し、2024年11月15日以降になればオプトアウト機能がXの設定に追加される可能性があると指摘しています。

さらに、2024年11月15日以降から施行されるサービス利用規約の「ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾」には以下のようにあります。

サービス上でまたはサービスを通じてコンテンツを送信、ポスト、または表示することにより、お客様は、現在知られているまたは今後開発されるあらゆるメディアまたは配信方法で、あらゆる目的で、かかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、適応、変更、公開、送信、表示、アップロード、ダウンロード、および配信するための、世界的、非独占的、ロイヤリティフリーのライセンス(再許諾の権利を含む)を当社に付与するものとします。明確にするために記すと、これらの権利には、たとえば、キュレーション、変換、翻訳などが含まれます。このライセンスによって、ユーザーは、当社や他のユーザーに対し、ご自身のポストを世界中で閲覧可能とすることを承認することになります。お客様は、このライセンスに、当社が(i)お客様によって提供されたテキストやその他の情報を分析し、その他の方法で本サービスを提供、促進、改善する権利(生成型か他のタイプかを問わず、当社の機械学習や人工知能モデルへの使用やトレーニングなど)、および(ii)当社のコンテンツ利用規約に従い、サービスにまたはサービスを通じて送信されたコンテンツを他の企業、組織、または個人が利用できるようにする権利(サービスの改善、および他のメディアやサービスでのコンテンツのシンジケーション、放送、配信、リポスト、プロモーション、公開など)が含まれることに同意するものとします。ユーザーが本サービスを介して送信、投稿、伝送またはそれ以外で閲覧可能としたコンテンツに関して、当社、またはその他の企業、組織もしくは個人は、ユーザーに報酬を支払うことなく(ユーザーは、ユーザーによる本サービスの利用がコンテンツおよびコンテンツに関する権利の許諾に対する十分な対価であることに同意するものとします)、当該コンテンツを上記のように追加的に使用します。


つまり、サービス利用規約に同意した時点で、ユーザーは投稿したコンテンツをAIのトレーニングに利用するライセンスをXに与えていることになります。ただし、このプライバシーポリシーと利用規約は2024年11月15日まで発効しないので、変更される可能性はまだあると、IT系ニュースサイトのEngadgetは述べています。

なお、2024年11月15日施行のサービス利用規約には、「24時間以内に100万件を超えるポストのリクエスト、表示、またはアクセス(返信ポスト、動画ポスト、画像ポスト、その他のポストを含む)に対し、ポスト100万件あたり15000米ドル(約225万円)の予定損害賠償額を負担することに同意するものとします」と記されています。

TechCrunchは「Xのコンテンツをスクレイピングする組織は損害賠償責任を負うことになると定めるものだ」と指摘。Xのオーナーであるマスク氏は以前からウェブスクレイピングに反対しており、この損害賠償責任の明記もウェブスクレイピングを排除する狙いがあるとみられます。

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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