AppleのデザイナーとしてiPhoneなどの主要プロダクトをデザインしたジョナサン・アイブがOpenAIと共同でAIデバイスを開発していることを認める
AppleのiMac、MacBook、iPod、iPhone、iPadといった主要プロダクトのデザインを担当してきたことで知られるデザイナーのジョナサン・アイブ氏が、AI企業のOpenAIと新デバイスの開発に取り組んでいることを認めました。
Inside Jony Ive’s Life After Apple and His LoveFrom Design Business - The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/09/21/technology/jony-ive-apple-lovefrom.html
Jony Ive confirms he’s working on a new device with OpenAI - The Verge
https://www.theverge.com/2024/9/21/24250867/jony-ive-confirms-collaboration-openai-hardware
アイブ氏はAppleの主要プロダクトのデザインを担当してきた、世界で最も優れたデザイナーのひとりです。Appleの伝説的なリーダーであるスティーブ・ジョブズ氏が亡くなった後は、同社を率いるリーダーとしての活躍が期待されていました。しかし、アイブ氏は2019年にAppleを去り、独自のデザイン会社・LoveFromを立ち上げています。LoveFrom設立後、アイブ氏はAppleとコンサルティング契約を結び、同社のプロダクト開発に携わっていたのですが、この契約は2022年に終了。Appleとアイブ氏はついに袂を分かつこととなりました。
アイブ氏がなぜAppleを去ることになったのかは、以下の記事に詳細がまとめてあるので気になる人はチェックしてみてください。
Apple製品の最高デザイン責任者を務めたジョナサン・アイブはなぜAppleを去ったのか? - GIGAZINE
そんなアイブ氏が、チャットAIのChatGPTなどを開発するOpenAIとAI関連ハードウェアを開発していることが初めて報じられたのは、2023年9月のこと。報道によると、ソフトバンクの孫正義氏も関与しているとのことですが、詳細はほとんどあかされていませんでした。
OpenAIのサム・アルトマンとiPhoneのデザイナーだったジョナサン・アイブが新AIハードウェアについて会合、ソフトバンクの孫正義も関与か - GIGAZINE
その後、2024年4月に再びアイブ氏とOpenAIが共同で「AI駆動のパーソナルデバイス」の開発に取り組んでいることが報じられています。これによると、アイブ氏とOpenAIは少なくとも10億ドル(約1400億円)の資金調達を行い、AI搭載のパーソナルデバイスを開発することを目論んでいるとのこと。
元Appleデザイナーのジョナサン・アイブとOpenAIのサム・アルトマンが「AI駆動のパーソナルデバイス」開発に向けて1500億円の資金調達を計画中との報道 - GIGAZINE
by • glub • and TechCrunch
過去の報道によると、アイブ氏はAirbnbのブライアン・チェスキーCEOを通じてOpenAIのサム・アルトマンCEOと知り合い、実業家のローレン・パウエル・ジョブズ氏が設立したベンチャーキャピタルのEmerson Collectiveから資金を調達している模様。
現地時間の2024年9月21日にThe New York Timesが掲載したインタビュー記事の中で、アイブ氏はOpenAIとの共同でプロダクトの開発に取り組んでいることを認めました。ただし、このプロジェクトに10億ドルを投資したとウワサされているソフトバンクの孫正義氏について、アイブ氏は一切言及していません。
アイブ氏によると、LoveFromがAIハードウェア開発プロジェクトを主導しており、設計も担当しているそうです。同プロジェクトには10人の従業員が携わっており、その中にはiPhoneの開発でアイブ氏と働いたことのあるタン・タン氏とエバンス・ハンキー氏が含まれるとのこと。開発チームはアメリカのサンフランシスコにある3万2000平方フィート(約3000平方メートル)のオフィスビルで作業しており、同ビルはアイブ氏が9000万ドル(約130億円)かけて購入した不動産の一部だそうです。
報道によると、アイブ氏とアルトマン氏はAIハードウェアの開発時に、「複雑な要求を処理できる生成AI技術は従来のソフトウェアよりもユーザーのために多くのことを行えるため、新しいコンピューティングデバイスの作成が可能になった」と話し合ったそうです。
ただし、記事作成時点では具体的なことはほとんど決まっていないそうで、LoveFromの共同設立者であるマーク・ニューソン氏はThe New York Timesに対して「AI製品がいつ市場に出るかはまだ検討中」と語りました。
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