ディズニーがDisney+の利用規約同意を盾にした不法死亡訴訟取り下げ要求を撤回
ディズニーリゾートのレストランでアレルギー反応を起こし亡くなった女性に関して、ディズニーが「遺族は仲裁条項を含むDisney+の利用規約に同意しているのでディズニーに対して訴訟を起こせない」と訴訟の取り下げを求めていた一件で、ディズニー側が法廷で問題を扱うことを決定しました。
Disney stops trying to use Disney Plus excuse to settle a wrongful death lawsuit - The Verge
https://www.theverge.com/2024/8/20/24224277/disney-wrongful-death-lawsuit-waiving-arbitration
Disney agrees to have Florida wrongful death lawsuit decided in court | Reuters
https://www.reuters.com/legal/disney-agrees-have-florida-wrongful-death-lawsuit-decided-court-2024-08-20/
Disney drops streaming waiver defense over woman’s allergy death at resort | Walt Disney Company | The Guardian
https://www.theguardian.com/film/article/2024/aug/20/disney-wrongful-death-lawsuit-drop-subscription-defense
2023年10月、ディズニーリゾート内のレストランで食事をした女性が、事前に従業員に確認を取ったにもかかわらず出された料理にアレルゲンが含まれていたため、食後に重度のアレルギー反応を起こして亡くなりました。女性の夫はディズニーを相手取って金銭的補償を求める不法死亡請求の訴えを起こしましたが、ディズニーは当初「レストランはディズニーの管理・運営対象ではない」と説明。さらに、「Disney+登録時に、ディズニーとの争いは訴訟ではなく仲裁で解決することを定めた仲裁条項に同意している」と主張し、裁判所に訴訟の取り下げを求めていました。
ディズニーが「ディズニーリゾートの食事で妻が亡くなった」という訴訟に対し「Disney+を一度でも利用した人はディズニーを永久に訴えられない」と主張 - GIGAZINE
裁判所がどのように判断するのか注目が集まっていましたが、ディズニーエクスペリエンスのジョシュ・ダマロ会長は仲裁の権利を放棄し、問題を法廷で扱うことを決定したという声明を発表しました。
ダマロ会長は「ディズニーは、何よりも人間性を重視するように努めています。今回は特殊な状況で、痛ましい別れを経験したご家族のために、早く問題を解決するための慎重な取り組みが必要だと考えています。そのため当社は、仲裁の権利を放棄し、法廷で問題を進めることにしました」と述べました。
なお、仲裁を巡って多くの集団訴訟を起こしてきたジョセフ・セラーズ弁護士は、「仲裁」に頼らないという決定は異例のものであり、ディズニーの弁護士もDisney+の利用規約への合意を今回の事例に当てはめるのは難しいと考えていたことを示唆するものだとロイターに語っています。
訴訟は継続中で、2024年10月2日に公聴会が予定されています。
・関連記事
ハッキング被害を受けた遺伝子検査ツールの23andMeが利用規約を突然更新、顧客による集団訴訟の提起を禁止 - GIGAZINE
Xがイーロン・マスクに解雇された元Twitter従業員2200人の仲裁請求に応じて交渉開始 - GIGAZINE
イーロン・マスクがTwitterの元従業員に支払われるはずだった退職金5億ドルを拒否したとして集団訴訟に突入 - GIGAZINE
・関連コンテンツ