取材

アニメーターが目の前で動画を描く様子を間近で見られるライブ作画などアニメ・ファンタジスタたちの活躍を発信するイベント「ANIME FANTASISTA JAPAN 2024」開幕


多数のアニメーション制作会社が本拠を置く武蔵野市から日本の「アニメ・ファンタジスタ」たちの活躍を世界へ発信するイベント「ANIME FANTASISTA JAPAN 2024(アニメ・ファンタジスタ・ジャパン2024)」が、吉祥寺エクセルホテル東急で2024年8月11日(日)・12日(月・祝)に開催されます。開会式の前から、会場ではさまざまな展示やアニメの上映会が行われているほか、アニメ映画「MEMORIES」の中の一編である「彼女の想いで」のライブ作画が行われています。

アニメ・ファンタジスタ・ジャパン2024
https://anime-fantasista-japan.jp/

会場は吉祥寺駅から徒歩5分のところにある吉祥寺エクセルホテル東急。


「本物に触れたい人は武蔵野市に集まれ!」とのパネルがホテルのエントランス前に掲出されています。


会場は7階で、入場は無料。一部のトークセッションは有料で、8階で受付が行われます。


メインステージのスケジュールはこんな感じで、11日・12日ともライブ作画イベントからスタートし、後半にトークセッションが組まれています。


11日は「LIVE SAKUGA」からスタート。


1995年公開の劇場アニメ「MEMORIES」の一編「彼女の想いで」の1シーンを、井上俊之さんの作監修正を用いつつ、アニメーターの中澤海友さんが動画を描いていくイベントで、予定は11時30分からとなっていましたが、11時にはすでに作画はスタートしていました。


ワークショップでは、アニメーターの西野理恵さんを講師としたアニメ作画体験と、CLIP STUDIO PAINTを用いたデジタル作画体験の講座が組まれています。


「原画等展示会」には、スタジオポノックが2018年に劇場公開した「ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-」の3作品の原画や、「彼女の想いで」の絵コンテと原画、「TRIGUN STAMPEDE」の設定資料などが展示されています。


会場の奥まった部屋では「蔵出し!アニメ上映会」が開催されています。


上映スケジュールはこんな感じで、「MEMORIES」「幻想叙譚エルシア」などのアニメ映画・OVAや、若手アニメーター育成プロジェクトで作成された短編作品などが上映されます。


8月11日は「FEATURING 井上俊之の作画遊蕩」と題して、アニメーター・井上俊之さんと今村亮さんによる「『彼女の想いで』から考える」&サイン会、および井上さんと押山清高さん、小島崇史さんによる「『フリップフラッパーズ』から 『ルックバック』へ――理想の制作システムをめぐって」というトークセッションが行われます。

また、8月12日は西田達三さんが「火の鳥 エデンの花」のライブドローイングを行うのに始まり、黄瀬和哉さんと亀田祥倫さんによる「ムサシノがつないだFANTASISTA TALK」、久野遥子さん、チーム『化け猫あんずちゃん』、岩井澤健治さんによる「ロトスコープの現在2024」、山本健さんとちなさんによる「新時代の作画――美術・撮影・3DCG」のトークセッションが行われます。


ライブドローイングは入場無料ですが、トークセッションはそれぞれ有料チケットが必要。セッションによって価格が異なりますが、当日券よりおトクな前売り券も販売されているので、興味のある人はぜひ公式サイトをチェックしてみてください。

開会式では武蔵野商工会議所の髙橋勇会頭、武蔵野市観光機構の稲垣英夫理事長、武蔵野市の小美濃安弘市長、吉祥寺エクセルホテル東急の斎藤美次総支配人によるテープカットが行われました。


あいさつの中で、小美濃市長は武蔵野市がアニメに力を入れている事例として、コアミックスと協力してのデザインマンホールの設置や「アニメノマンガノムサシノ」を挙げ、ANIME FANTASISTA JAPANの開催日がコミックマーケットと重なっていたことから「コミケをしのぐようなイベントになるよう、武蔵野市を挙げてがんばりたい」と意気込みを語りました。

開会式のあとは、井上俊之さんと今村亮さんによるトークセッションる「『彼女の想いで』から考える」が行われました。


また、押山清高さん、小島崇史さん、井上俊之さんが理想の制作システムを語るトークセッションも。


2日目はアニメ映画『火の鳥 エデンの花』キャラクターデザイン・総作画監督の西田達三さんによるライブドローイングが行われました。


2024年12月24日に武蔵野市民文化会館で開催される「火の鳥 エデンの花 シネマ・シンフォニー」がお題ということで、指揮をするロミ、フルートを吹くコム、ラッパを吹くカインが描かれています。なお、時間は1時間30分が予定されていましたが、西田さんの手が早く、1時間で完成しました。


このため、西田さんは残り30分で火の鳥も描きました。こちらも時間内に着色まで済ませる素早さです。


「ムサシノがつないだFANTASISTA TALK」と題した、黄瀬和哉さんと亀田祥倫さんによるトークも行われました。主に亀田さんが深掘りして黄瀬さんが答えるという形で、多くの興味深い話が飛び出しました。


トークイベント後にはサイン会も行われました。


どういった作品に言及されたかについて、Xに亀田さんが情報をまとめていました。


「ロトスコープの現在2024」と題したセミナーでは、『化け猫あんずちゃん』の近藤慶一プロデューサー、久野遥子監督、作画監督補佐・レイアウト・原画担当の平井あかねさん、CG監督の飯塚智香さんと『音楽』の岩井澤健治監督が登壇。それぞれの作品のメイキングや、両監督によるロトスコープに関するトークが行われました。


劇場版『ウマ娘プリティーダービー 新時代の扉』山本健監督と東宝による才能支援プロジェクト『GEMNIBUS vol.1』の一作『ファーストラインちな監督による「新時代の作画――美術・撮影・3DCG」では、お二人のキャリアから仕事、制作システムなどで深く踏み込んだ話が展開されました。


「ANIME FANTASISTA JAPAN」は来年も開催が予定されているとのこと。ぜひ会場へファンタジスタの生の話を聞きに来てください。

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in 取材,   映画,   アニメ, Posted by logc_nt

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