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IntelはかつてOpenAIの株式を格安で購入するチャンスをみすみす逃していた


OpenAIは今やAI開発の最前線を走る存在となっており、2024年6月には「年換算の売上高が34億ドル(約5000億円)に達した」ともいわれています。そんなOpenAIがまだ大きな注目を浴びる前、IntelがOpenAIの株式を格安で購入する機会があったものの、みすみすそのチャンスを逃していたと海外メディアのロイターが報じました。

How chip giant Intel spurned OpenAI and fell behind the times | Reuters
https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/how-chip-giant-intel-spurned-openai-fell-behind-times-2024-08-07/


Intel reportedly gave up a chance to buy a stake in OpenAI in 2017 | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/artificial-intelligence/intel-reportedly-gave-up-a-chance-to-buy-a-stake-in-openai-in-2017

2015年に非営利団体として設立されたOpenAIは、2019年にMicrosoftから10億ドル(当時のレートで約1080億円)の出資を受けるなど、一部の業界では注目されている存在でした。しかし、当時は「生成AI」がそれほど世間に浸透しておらず、OpenAIが世間一般の注目を浴びるようになったのは2022年にChatGPTを公開してからのことです。

記事作成時点でOpenAIと関係が深い企業には、多額の出資を続けてきたMicrosoftや、AI向けハードウェアで高いシェアを誇るNVIDIAが挙げられます。ところが、ロイターが接触した4人の情報筋によると、かつてはIntelもOpenAIの株式を格安で購入するチャンスがあったとのこと。

情報筋は、2017年から2018年にかけての数カ月間にわたり、IntelとOpenAIの幹部は「IntelがOpenAIの株式の15%を現金10億ドル(当時のレートで約1110億円)で購入する」といった選択肢について話し合ったと証言しています。また、IntelがOpenAIのためにハードウェアを原価で製造した場合、追加で15%の株式を取得できるオプションもあったそうです。


しかし、最終的に当時Intelの暫定CEOを務めていたボブ・スワン氏が、「近いうちに生成AIが市場に出てリターンを得られるとは考えられない」と判断したため、両社の取引は失敗に終わりました。

OpenAIがIntelからの投資に興味を持ったのは、NVIDIA製チップへの依存を減らして独自のインフラストラクチャーを構築できるようになることを見込んでのことでした。しかし、Intelのデータセンター部門は、コストをかけてまでAI向け製品を開発することに前向きではなかったと情報筋は証言しています。

最終的にOpenAIはChatGPTをリリースしてAI業界のトップに躍り出たため、Intelはみすみすチャンスを逃したといえます。しかし一部のアナリストは、そもそもIntelはAIの実行に適したGPUではなくCPUに注力しており、この取引以前からAIの覇権を巡る争いで後手に回ってきたと指摘。大和証券のアナリストであるロウ・ミショシャ氏は、「AIがヒットした時、Intelは適切なプロセッサを持っていませんでした」と述べました。


なお、近年のIntelはAIプロセッサに注力しており、2024年4月にはAIアクセラレータの「Gaudi 3」を発表しました。

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Gaudi 3はAI学習性能とAI推論性能の両面でNVIDIAのAI特化GPU「H100」を上回ると主張しており、パット・ゲルシンガーCEOはGaudi 2とGaudi 3に20以上の顧客がいるとしています。

Intelの広報担当者はロイターに対し、「私たちは歴史的なペースでの設計とプロセス技術革新の完了に近づいており、今後AI市場でより大きなシェアを獲得するために構築している製品パイプラインに勇気づけられています」と述べました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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