インタビュー

『化け猫あんずちゃん』久野遥子監督&山下敦弘監督インタビュー、役者の芝居が絵のガイドになるロトスコープでの制作について話を聞いてみた


アニメ映画『化け猫あんずちゃん』が2024年7月19日(金)から公開となりました。本作はコミックボンボンに連載されたいましろたかしさんの漫画を映像化したもので、制作にあたっては実写で撮影した映像をアニメに描き起こすロトスコープが用いられています。今回、ロトスコープ制作を手がけた久野遥子監督と、そのもとになった実写映像を撮影した山下敦弘監督にお話をうかがう機会を得たので、作品制作の経緯や過程について、いろいろな質問をぶつけてみました。

映画『化け猫あんずちゃん』公式サイト
https://ghostcat-anzu.jp/

GIGAZINE(以下、G):
本作、映画館で予告編を見たときに絵がすごく印象に残りました。

映画『化け猫あんずちゃん』予告編【2024年7月19日公開】 - YouTube


G:
ちょうど、少し前に久野監督のお名前をマクドナルドのCMを手がけられた件で見ていて、どちらも温かみのある色合いが特徴的だと感じました。色合いは、久野監督が狙った部分なのでしょうか。


久野遥子監督(以下、久野):
マクドナルドのCMと『化け猫あんずちゃん』では、色を決めているスタッフさんが異なっているのですが、自分の色の好みが出ているかもしれません。『あんずちゃん』の場合、Julien De Manさんという美術監督が担当してくれていて、それによって普通のアニメとはちょっと違う色使いになっている部分があるのかなと思っています。
(※注:本作は日仏合作でシンエイ動画とフランスのMiyu Productionsが制作を担当、Julien De Manさんが美術監督と色彩設計を務めた)

G:
Wacomによる特別インタビュー映像で、久野監督は「今あるアニメとはちょっと違うものが見てみたい気持ちが昔からあったんです」「自分が求めていたにも関わらず知らないものが来る感じの楽しさがというのがことあるごとに感じられて」とお話されていたので、今までのアニメとは違うものをあえて表現していきたいという思いが込められていたのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。

久野:
そうですね、「ちょっと見慣れないものであってほしい」という気持ちがありました。そういう風に、ちょっと変わったものだという印象を持ってもらえたのであれば、いいところまで行けたのではないかなと思います。

G:
改めて、企画の経緯の部分をお伺いしたいと思います。いましろさんの作品の映像化という点では、山下監督が『ハード・コア』(原作:狩撫麻礼/画:いましろたかし)を映画化されています。『ハード・コア』映画化発表時、山下監督は、「『なんで今『ハード・コア』を映画化するの?』と、ある友人に言われました。“今”っていうのがこのご時世って事なのか、僕の監督のキャリアにおいてなのか意味は分かりませんが、ともかく傑作マンガ『ハード・コア』を前にしてご時世もキャリアもへったくれも無いです」と熱いコメントを出しておられました。今度は、いましろさん作品初のアニメ化となるわけですが、「映画化する」という話を聞いたときの第一印象はどんなものでしたか?

山下敦弘監督(以下、山下):
『化け猫あんずちゃん』の企画が動き出したのは『ハード・コア』より前だったのかな……?

久野:
そうですね、たぶんタイミング的にかぶってますね。

山下:
自分としては『ハード・コア』で「いましろさんの作品はやりきった」という思いもあり、続けて『あんずちゃん』を動かすとはという感じもありましたが、純粋にうれしかったです。『あんずちゃん』は映像作品に向いていると僕自身が思っていたので。アニメという発想はなかったですが、長編アニメにしようという話を聞いたときはうれしかったですし、断る理由はないという心構えでした。

久野:
自分としては、初めての長編作品ということもあって、まずは「作れる」ということがすごくうれしかったです。それに、山下さんの作品は学生のころから見ていて、人間のお芝居のかわいらしい部分とかを抽出するのがうまい方だと思っていたので、その人と『あんずちゃん』をやるならアニメーションにしてもそういった部分が残せて絶対に面白いことになるんじゃないだろうかと。スタートしたのは8年ぐらい前だったので、のんきに思っていました(笑)

G:
『化け猫あんずちゃん』のアニメ化企画はシンエイ動画の近藤慶一プロデューサーが立ち上げられたものだということなのですが、もともと近藤プロデューサーは山下監督の現場で助監督を務められた経験があり、当時の現場に『あんずちゃん』の本があったのがきっかけだったというエピソードを拝見しました。山下監督としては『あんずちゃん』をなんとかしてみたいという思いは、当時からあったのでしょうか?

山下:
確かに、事務所がスタッフルームになっていたので、自分の家の本を持ち込んでいて、『あんずちゃん』も何か映像化できればいいなと思ってそこに置いていたんですけれど、まさか近藤くんが持ってくるとは思わなかったです(笑)

G:
(笑)

山下:
当時は具体的にはなにも進展がなかったんですが、助監督だった近藤くんがそれを読んで、時間をかけて映画化することになるなんて、本当、想像もつかなかったです。

G:
山下監督は、もう『あんずちゃん』が連載されていたころにはいましろさんと面識があったとのことなのですが、今回、映画化にあたって改めてなにか要望をもらったり、あるいはいましろさんに確認した部分などはありましたか?

山下:
基本的には、映画化の許可をもらったあとは任せていただいていました。最終的に、クランクインの前に久野さんと3人で会う機会を作ってもらって、いろいろなアドバイスをいただいて映画化したという感じです。

G:
いましろさんからは、どういったアドバイスがあったのですか?

久野:
アドバイスというかアイデアをいろいろいただいたような感じです。映画の終盤に、お祭り会場に妖怪たちが助けに出てくるシーンがあって、脚本時点では妖怪たちが結構戦って助けるような流れになっていたのですが、いましろさんから「そうじゃない、ボコボコにされるんだ」と言われて(笑)

G:
ボコボコに(笑)

久野:
それで、妖怪たちがボコボコにされる展開に変えたりとか。出してもらったアイデアの方がお話としても面白くなりそうな部分についてはアイデアに寄せて。あるいは、うかがったアイデアを膨らませていったりもしました。

G:
終盤になって助けに来たのに一方的にボコボコにされる展開は、なかなかないですね(笑)、いましろさんのアイデアだったんですか。

山下:
本筋に関してはお任せしていただいて、ディテールや細かなエピソードの修正についてアドバイスをもらいました。

G:
本作は実写の映像をもとに絵を描き起こすロトスコープで制作されていて、森山未來さんが猫耳を付けた姿であんずちゃんを演じている実写映像とアニメ映像を並べた比較映像も公開されています。

映画『化け猫あんずちゃん』<実写・アニメ比較特別映像>【2024年7月19日公開】 - YouTube


G:
かりん役の五藤希愛さんや、不良少年の2人の衣装が実写とアニメでほぼ同じことがわかるほか、貧乏神役の水澤紳吾さんがキャラクターと同じふんどし一丁で真夏の撮影に挑んだというエピソードも見たのですが、人間型ではないキャラクターのみなさんも、キャラクターっぽい格好で演じられていたのでしょうか?

久野:
そうですね、カエルちゃんというキャラクターの場合、緑のポロシャツに緑のズボンをはいてもらったり、妖怪の中でも着物を着ているおばばの場合は着物を着てもらったり。


久野:
たぶん、人間の形から一番遠いのはキノコのおじさんで、そのキャラクターは大きな傘をつけたリュックサックを背負ってもらって「キノコです」ということにしてもらいました。


G:
おおー、なるほど。キノコの形状に寄せてるんですね。

山下:
シルエットを寄せられるものについてはできるだけ似せた感じです。

久野:
ガイドになるようにしつつですね。

山下:
服を着ているキャラクターについては、服のしわやディテールなんかが出るように似た服を着てもらいました。

久野:
人型のキャラは、ほとんどのそのままの姿になっていたと思います。

G:
映像を見比べると、まさに服のディテールがピタッと一致するように描き起こされているのがわかるのですが、あれは、実写の衣装があってキャラクターデザインに反映されたものなのでしょうか?それとも、キャラクターデザインをもとにして衣装が作られたのでしょうか?

久野:
衣装に合わせています。今回、衣装を手がけたのは伊賀大介さんで、実写作品をたくさん担当しておられる一方で、アニメ作品のスタイリングも手がけておられるので、「アニメになった時にどれぐらいディテールが残るのか」わかっていらっしゃるんです。伊賀さんに衣装を出してもらったあと、色についてはフランス側での作業でしたが、尊重してもらったのかなと思います。

G:
色に関してはフランス側にお任せに近い感じだったのでしょうか?

久野:
実写も撮っているのでまずは役者さんの衣装合わせがあって、それをベースにしつつ、それぞれのキャラクターにとって一番いい色というのをフランス側で探ってもらい、決めてもらった色を私がチェックして問題なければそれでいきましょう、という流れでした。気になった部分については相談して決めていきました。

G:
今回、撮影はどのように進められたのでしょうか。久野監督と山下監督の対談の中で、久野監督が「山下監督にはいつも通り撮ってくださいとお話をしました」と語っておられるので、アニメのコンテに合わせて撮影したという形ではなさそうなのですが。

山下:
普段、僕は実写を撮るときにコンテをほとんど切らなくて、現場でお芝居を見て、カメラマンと「こういう風に割っていこう」と相談して決めるスタイルなんです。


G:
なるほど。

久野:
実写の状態でいったん丸ごと撮影してから編集をして、アクションシーンの一部などにアニメでしかできない部分があるのでそこは歯抜け状態なのですが、通しの映像にして、そこからアニメにするにあたってまた編集を微調整していくという感じでした。

G:
カット単位とかではなく、全体をいったん一部に欠けはありつつも実写版として完成させて、そこからロトスコープに置き換えていった、ということなんですね。

久野:
そうなります。

G:
あんずちゃんが拾われてから化け猫になるまでの成長を描いた部分はロトスコープではなくフルアニメーションだと公式SNSで拝見しました。この、あんずちゃんが拾われるシーン、お昼は太陽光線が点線で描かれたいかにも漫画的表現が使われていて「そういう表現も出てくるんだ」と感じました。

映画『化け猫あんずちゃん』<特別映像オープニング編>【2024年7月19日公開】 - YouTube


久野:
原作漫画に、絵に描いた図形のような太陽が出てくるのですが、それが好きだったので再現しました。ロトスコープで制作することでリアル寄りになる部分があるからこそ、漫画っぽいところはめちゃくちゃ漫画っぽくしたいなと思って。

G:
ああー、なるほど。確かに、いましろさんの描かれる背景はとても漫画的ですもんね。

久野:
いましろさんの漫画では、『あんずちゃん』以外でも、汗とかが輪郭の外まで出てきたりする表現があるんです。そういった原作通りのところを、妙に細かいところで忠実にやっていたりします。

G:
あんずちゃんの顔の横に汗の漫符表現が浮いているアレ(笑)、「なんか、すごく漫画的表現がそのまま映像になってる」と思っていたんですが、まさにいましろさんの漫画の表現をそのまま出そうという狙いのものだったんですね。

山下:
原作のディテールそのままですね。

久野:
あれは映像的に完全再現したいと思っていました(笑)

G:
映像にするとあんな感じの表現になるんですね~。

久野:
滞空してます(笑)

山下:
原作ファンでもあまり気付かないですよ(笑)

(一同笑)

G:
『化け猫あんずちゃん』は企画スタートから8年ぐらい経過しているとのことなのですが、その間に久野監督と山下監督は『東アジア文化都市2019豊島』のプロモーション映像を制作されています。『あんずちゃん』の脚本作業を進められていたころのお仕事だということなのですが、やってみたことでわかったこと、自信を持ったところ、あるいは課題になりそうだと感じた部分などありましたか?

「東アジア文化都市2019豊島」プロモーション映像(フルバージョン) - YouTube


山下:
僕はこの『東アジア文化都市2019豊島』が初めてのロトスコープ作品だったんですが、なんとなくどういう作り方なのかを把握できたし、実写からアニメにする上でいろいろなことが広がっていくというか、膨らんでいくんだという感じを実感できて、難しいというより「いろんなことができるんだな」と解釈しました。実写って、天候だったり音だったり、ロケをする上でいろいろな弊害もあるんですけれど、最終的にアニメにすることによって、そういった現場の細かいストレスがなくなるんだなと。それこそ現場には照明マンもいないし撮影部だけで、演出に集中、没頭することができました。

久野:
私としては、まず山下監督とやるのが初めてのことだったというのもありますが、実写のスタッフの皆さんと一緒に仕事をすることで、ロトスコープがどういうものなのかを知ってもらったというところに大きな意義があったと思います。私としても、ロトスコープの経験値がそこまであったわけではないので、最初は「どこまでリアルにすべきなのか」「どのくらいアニメ的なものを持ち込むべきなのか」ということを考えました。その上で、『東アジア文化都市2019豊島』のときはかなりリアル寄りにやりましたが、『あんずちゃん』のような長編でストーリーもある作品で、さらにあんずちゃんというデフォルメの強いキャラクターがいるとなった時には、リアルに寄りすぎるとかみ合わせがちょっと悪いかもしれないと、『あんずちゃん』のパイロット映像も挟んだ上で思っていました。リアリティのあんばいと、どこまでデフォルメしてどこまで役者さんのお芝居をそのまま残すかというのは、『あんずちゃん』を作るまで、ずっと探っていた部分です。

G:
お芝居の点では、あんずちゃん役の森山未來さんは役者でありダンサーでもあり、まさにこの人しかいないのではないかというキャスティングでしたが、最初からあんずちゃん役には森山さんの名前が挙がっていたのですか?


山下:
かなり早い段階から森山くんの名前は挙がっていました。4年前に作ったパイロット版にも参加してもらって、まだ長編を撮る前の段階でしたが「こういう企画なんだけれど」と相談したら乗ってくれて……もちろん、森山くんであればこういったある種の挑戦的な企画、チャレンジに対しては乗ってくれるだろうという信頼がありましたけれど(笑)、僕としては、森山くんならベストですという感じでした。

G:
ロトスコープ作品の実写部分を演じる機会は、役者さんとしてもあまり多く経験することはないように思うのですが、現場で役者さんたちが戸惑うことなどはなかったでしょうか。普通に、実写映画を撮るときと変わりないものなのだろうかと。

山下:
森山くんは特に戸惑いはなかったように思います。みんな、自分の動きや芝居がアニメになるということを頭で変換してやってくれているのだと思います。わかりやすいのは貧乏神役の水澤さんで、ふんどし一丁で出てくるんですけれど、普段のお芝居よりもアニメを意識したプランを自分で持ってきてくれていたのかなと。細かいですけれど、トイレの水をふんどしで拭くみたいな動きのところは、アニメを意識したアクションにしてくれているなと思いました。みんな「キャラに合わせているな」という感じでした。

久野:
妖怪たちは特に、すごく絶妙にチューニングされているなと感じました。

山下:
閻魔大王を演じてくれた宇野祥平くんなんかは、逆に普段よりも動かないし(笑)

G:
(笑)


山下:
それによって閻魔大王の迫力が出ていて、みんなキャラクターに合わせて考えてきてくれていたと思いました。

G:
アニメに置き換えると、役者さんが実写映画やドラマでやっている動きだけだとあとひと味足りないとか、そういう部分はあったりするのでしょうか。

山下:
その点は妖怪よりも人間役、かりんちゃんを演じた五藤希愛さんやお母さんを演じた市川実和子さんたちの方が、難しかったかもしれないです。どこまで芝居を大きくすればいいのかとか、妖怪やデフォルメされたキャラクターの方がいろいろ試せた感じがあります。


久野:
役者さんたちそれぞれにプランがあって面白かったですね。

山下:
一番ノープランはたぶん鈴木慶一さんだと思います。

(一同笑)

山下:
もう、まんま慶一さんでした。


G:
その自然さこそがおしょーさんの味ということですね(笑)

久野:
一番、アニメにそのまま残ったかなと思います(笑)

G:
久野監督のXによると、作画監督を担当した中内友紀恵さんと石舘波子さんは大学時代の同級生で、卒業制作作品の「Airy Me」を手伝ってもらった仲だとのことでした。普段から「大変な仕事の時には助け合おう」みたいな話をされているのですか?


久野:
いえいえ、それぞれ独立してしっかりお仕事をされているお二人なので、大学時代こそ同級生のよしみで助けてもらいましたけれど、そこから3人で仕事をすることはなくて。私は大学時代、アニメーションのクラスにいたんですが、当時の同級生で今もアニメを仕事にしている人というのはそう多くはなくて、そんな中で2人に声をかけたら一緒にお仕事できることになって、OKをもらえた時点ですごくうれしかったです。2人とも一流の絵描きなので、私が目指すところを理解してそれぞれに描いてもらえたのは、すごくよかったです。

G:
無理かもしれないけれども声をかけてみようという、ダメ元でのオファーだったのですか?

久野:
石舘さんは商業アニメでも作画監督などを務められているのですが、中内さんはいわゆるテレビアニメとは異なる仕事も多くイラストレーターとしても忙しくしておられるので、ちょっと2人ともにOKをもらえるとは思っていなかったところはありました。

G:
石舘さんがSNSで、あんずちゃんが化け猫になるまでの様子のところについて「担当パートが出てる」と反応していて、他の投稿では猫の写真をいっぱいアップしておられるので、「だから猫の部分が担当パートなのか」と納得しました。

久野:
実は、描いていたのは、まだ猫は飼っていなかったころで(笑)

G:
えっ!(笑)

久野:
それぞれ、石舘さんはあんずちゃんを可愛く描くことが上手く、中内さんはかりんちゃんのちょっとリアルっぽいときのお芝居とかが得意だなとは思っていました。もちろん2人ともどちらとも描けるんですけれど、なんとなく、2人が得意とするところがあって。あんずちゃんの生い立ちのパートは短いんですが、石舘さんが「短いから自分で描くよ」と言ってくれたのでお任せしました。

G:
石舘さんがアップしていた猫の写真を見て「なるほど、猫を描くのが得意なのも道理」と思い込んでいたのですが、順序が違ったんですね。

久野:
猫好きなのは間違いないです(笑)

G:
それでは最後に、いよいよ『化け猫あんずちゃん』公開ということで、映画館に足を運ぶ際の最後の一押しを監督お二人からいただければと思います。

山下:
カンヌ国際映画祭の監督週間やアヌシー国際アニメーション映画祭といった映画祭でも受け入れてもらって、面白がってもらえました。僕も久野さんも手探りというか、キャストも含めてみんな初めてのことにチャレンジしたという点で、初心に戻れたような作品です。そういったチャレンジが、結果として魅力的になったのではないかと思います。ぱっと見は、映画として普通のアニメに見えるかもしれませんが、見てみるとちょっと違うものだという印象を持っていただけるのではないでしょうか。実写の持つ力とアニメの持つ力が融合した、まれな作品になっていると思いますので、ぜひ映画館でお楽しみいただければと思います。

久野:
私も初めて長編アニメの監督をやらせていただきましたが、本当に変わった作品で、ちょっとずつアニメができては見て確認を繰り返していったのですが、スタッフも「こういう作品になるんだ、こういう作りになっていたんだ」と、リアルタイムでわかっていって、できあがるたびに新鮮な感動がありました。まだ名前が付けられないようなタイプの作品なのではないかという思いもあるので、ぜひ、何か名前がつく前に映画館で見てもらって、この不思議さを一緒に共有できればうれしいなと思っています。

G:
確かに、ぜひ早めに映画館で見てほしい作品ですね。本日はいろいろなお話をありがとうございました。

山下・久野:
ありがとうございました。

映画『化け猫あんずちゃん』は2024年7月19日(金)から絶賛公開中です。

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