インタビュー

髙橋良輔監督に『ザ・ファブル』やアニメ制作についてインタビュー、「富野さんが隣で仕事をしているわけだから一緒ではダメ」だったからこその戦い方とは


2度の映画化も行われた、南 勝久さんによる人気漫画『ザ・ファブル』がアニメ化され、2024年4月から日本テレビ系にて全国放送中です。本作の監督は『太陽の牙ダグラム』『装甲騎兵ボトムズ』『ガサラキ』『FLAG』『幕末機関説いろはにほへと』など、半世紀以上にわたって多彩な作品を世に送り出している髙橋良輔さんが務めています。今回、髙橋監督にインタビューする機会を得たので、本作のことについてはもちろん、「髙橋作品」がどのように生まれているかについて、お話をうかがってきました。

=VAP= TVアニメ『ザ・ファブル』公式サイト
https://www.vap.co.jp/the-fable-anime/

【本PV vol.1】TVアニメ『ザ・ファブル』2024年4月6日(土)24:55より、日本テレビ系にて順次全国放送開始──!! - YouTube


【本PV vol.2】TVアニメ『ザ・ファブル』2024年4月6日(土)24:55より、日本テレビ系にて順次全国放送開始──!! - YouTube


GIGAZINE(以下、G):
本作の制作発表時に出たコメントの中で、髙橋監督は「『紙面上のキャラに針を刺すと血が出るような……』これは単行本一巻の表紙裏に書かれた原作者の言葉である。正にアニメの『ザ・ファブル』が目指すものもこの一点にある。作品の中で描かれる“強さ”も“優しさ”も“侠気”も“狂気”も、切れば噴き出す熱い血を持ったキャラクター達によって語られなければならない」と語っておられます。こうしたことを実現するために、髙橋監督が特に気をつけられたのはどういった点ですか?

髙橋良輔監督(以下、髙橋):
気をつけたと言いますか、原作のキャラクターがすでにそういう風に描かれていると思うんです。それぞれのキャラクターがリアリティを持っているといいますか。たとえば若頭の海老原。裏社会の人間として、ここまでいい人がいるかなというところはあるんですけれど(笑)


G:
(笑)

髙橋:
しかし、裏社会の人間というものを一言で表現するなら、普通の社会性では生きられない部分、「やっぱり男は腕だ、強さだ」という部分を持っているのではないかと思いました。僕が物語を作っていく中で、ひとつのお手本としているのは1930年代のアメリカの文学などです。つまり、レイモンド・チャンドラーなどのハードボイルド作品です。「男は強くないと生きていけない」だとか、「アスファルト・ジャングル」なんて言葉があって、一方で「優しくなければ生きている意味がない」という、そういう中で主人公はどういう心情を持って物語の中を泳いでいくのかということなんです。その点で、海老原はしっかり踏襲していると思うんです。男の世界であるヤクザとして生きているので、強くなければダメ。でも、岬ちゃんみたいな子には手を出さない。

G:
ふむふむ。

髙橋:
子分の小島に対しても、「あいつはヤクザとしてしか生きられない」と思っていて、自分の手元でそこそこやっていければいいかなと面倒を見ていたけれど、自分の心情とは違う動きをしてしまった。なんとか救う手があればよかったんだけれどそうはならず、成り行きの中で、ずるく立ち回るなら砂川に処理させることもできたんですけれど、結局は自分で手を下している。ああいうところに、キャラクターもその生き方の中で血を流しているという感じがします。そこを甘く描かないというのが当初からの方針であり、原作を提供してくれたことへの仁義であると思っています。

G:
なるほど、そういう意味が込められていたんですね。

髙橋:
でも、強いやつばかりでもないんですよね。貝沼くんというキャラクターが出てきますけれど、僕も8割ぐらい貝沼くんが入っていると思うし、男の子なら、みんな貝沼くんみたいなところがありますよ。そうなるかどうかというのは、教育であったり、社会常識をどう身につけるかであったりするのではないでしょうか。作品が進んでいくと「現代の親子関係は少しゆがんでいる」という主張が出てきますが、甘やかされていると自分の欲望を野放しにしてしまう。格好悪いところは見せたくないし、自分の汚点は知られたくないけれど、欲望は達成したい。そこで頼るのは母親だったと。結果として、悪の手にかかってしまいます。

G:
はい。

髙橋:
佐藤をもっと万能として描けば、貝沼くんを助けることはできたと思うんです。でも、キャラクターに血の通うようなリアリティを持たせることで、やむを得ない悲劇というのが起こってしまう。そのことが「ザ・ファブル」ではちゃんと描かれていて、作品の方針として貫かれているので、アニメを演出する側としても侵してはならない、変えてはいけない部分だと理解して、制作に臨みました。


G:
その原作者である南さんのコメントで、髙橋監督らが地元まで来たという言及がありました。南さんは岸和田出身なので、岸和田を訪問されたのでしょうか。

髙橋:
岸和田、行きました。1つは、アニメ制作において、美術設定で岸和田の雰囲気をうまく描いてほしいので、雰囲気を一緒に味わおうという目的でした。僕自身はここ15年ぐらい、近鉄南大阪線に乗る機会があるので大阪の雰囲気は体感していますが、僕以外の東京のスタッフに大阪を感じてほしいなということですね。もちろん、表敬訪問の意味合いもあります。

G:
髙橋監督はキャリアも長く、多数の作品を手がけているので多くの参考になるインタビューがあったので読ませていただきました。基本的には東京生まれ東京育ちですが、大阪にいた時期もあるとのことなのですが……。

髙橋:
住んでいたというわけではなくて、大阪芸術大学で教鞭を執るにあたり、週に3日ぐらい、天王寺で寝起きしていたという感じですね。近くには歴史ある歓楽街である飛田があり、ちょっと電車に乗れば尼崎もあり、うろうろとしていました。関西出身の人に「僕はあのあたりは行きません」と言われることもあるんですけれど、僕が育ったところも似た雰囲気がありましたから、怖いと思うことはなかったです。そういうこともあってか、関東と関西はちょっと違いがあると言われますけれど、僕の中ではあまり差を感じないんです。もうちょっとはっきりとした違いがあるのであれば描くことが違ってくるのかもしれないですけれど……。


G:
そうなんですね。

髙橋:
アフレコでは、関西弁が正しいかどうか僕では違いがわからないので、詳しい方に指導をお任せして、手助けしてもらっています。

G:
アニメの第1話を見たあと、原作の第1話も読み比べると、テンポが変わるというか、「このシーンはスパッと進めて、ここでは細かく丁寧に進めるんだ」という違いがあるんだなと感じました。漫画のリズムとアニメのリズムは全然違うので、単純にコマを切って貼ってしただけではアニメにならないというのはよく聞くのですが、今回、髙橋監督がアニメーションにするにあたって難航した点はありますか?

髙橋:
本作だと、一番難しかったのはキャラクターの絵の部分です。

G:
絵ですか。

髙橋:
アニメーションというのは記号性が強くて、それは利点の1つなんです。もちろん漫画も含めて、記号性が高い創作物だと思います。しかし、『ザ・ファブル』の原作は記号性にあまり頼っていないんです。キャラクターの表情や場面で、記号性をむしろ排して、頼らずに作られているんです。それは大事にしなければいけないと思って、冒頭の4話分ぐらいは苦労しました。

G:
作品のツボを押さえるのに、かなり苦労されたと。

髙橋:
演出としては、絵として整理した方がアニメーションのクオリティが上がる結果になるのではないかと思うところもあったんですが、4話、5話と作っていくとだんだん意図通りになっているなと実感を得られるようになりました。あまり記号に頼らないものができているんじゃないかと思います。


G:
ちょっと『ザ・ファブル』の作品そのものからは離れるのですが、こうした作品を実現している髙橋監督とはどういった人物なのかということを知るための質問をさせていただきたいと思います。サンライズワールドに掲載されているコラムで、髙橋監督は最初に就職したのが伊藤忠自動車だったと語っておられました。Wikipediaにはセールスマンだったともあるのですが……。

髙橋:
営業ではなく、事務方でした。営業の人とはすごく仲がよくて、一緒にお客さんのところに行ったりはしましたけれど(笑)

G:
その後、アニメ業界に入る前には明治大学第二文学部に通っておられたと。

髙橋:
伊藤忠自動車に勤務しながら、大学の夜間部に通ってシナリオとか戯曲を勉強し始めたんですが、だんだんとアニメの方に重心が移っていったということですね。

G:
伊藤忠自動車に就職した理由は、何かこれというものはあったのでしょうか。

髙橋:
商業学校に通っていたので、みんな銀行や商事系の会社に就職していたんです。そこで、入れてくれたのが伊藤忠自動車だったんです。

G:
それで、夜は学校に通われていたということですが、明治大学を選ばれたのはどういった点からですか?

髙橋:
伊藤忠自動車の社屋が、丸の内線赤坂駅を出たところのビルで、駅から10秒だったんです。もちろん、それは表玄関なので、僕らは出社時は裏に回っていたんですけれど。古い話になりますけれど、当時まだ地下鉄は銀座線と丸の内線しかなくて、日比谷線もまだなかったころです。丸の内線に乗って上野の方に行くと御茶ノ水があって、そこに中央大学や明治大学があったので、帰りがけにちょうどよかったんです。

G:
当時大学で学んだことで、『ザ・ファブル』に至るまでに「これは役に立ったなぁ」ということは何かありますか?

髙橋:
学んだこととしてはぱっと思い当たりませんが(笑)、当時、同じ大学に通っていた友達の中から、僕だけが作り手の方にどんどん寄っていったんです。会社を辞めようなんて思ってもいなかったんですけれど、途中から「こういう世界もあるんだな」と思うと同時に、周りから「お前はそっちの世界に行くんだろう」という雰囲気にもなっていました。勤めそのものもアニメには結びつかないものですけれど、社内行事とかのポスターは全部僕が描いていましたし、「宣伝会議」という雑誌の宣伝コピー募集にも、よく入選していたんですよ。

G:
おお!

髙橋:
そういう環境の中で「何かを作る」という方に体が向いていったというのはありました。

G:
押井守監督の著書「勝つために戦え!〈監督ゼッキョー篇〉」の中に、「シリーズの本質はオープニングと文芸と次回予告にしかない。それらの面倒を見るのが自分の役割。それに自信があるし、自分に向いている。後は誰がやってもいい」という髙橋監督の言葉があるのですが、これは本当なのでしょうか。


髙橋:
演出家、作り手にもいろいろなタイプがいまして、大きく分けると「全部自分でやりたいタイプ」と、「作品をチームワークで作る総合芸術だと考えるタイプ」がいるんです。僕は後者で、アニメ監督は総合的な視点を持って中心にいて、作品に参加する専門職の人たちを生かすのが一番楽だと思っているんです。実際、全部自分で背負うよりも楽ですよ。シナリオライターの力を借りて物語を作り、デザイナーの力を借りて絵の世界を作っていく。そうやって、みんなで作るものなんです。そうすることで、個性がばらける。ただ、言わなければ誰が作ったものかわからないのでは寂しいじゃないですか。

G:
確かに。

髙橋:
そこで、人がぱっと見たときに「これは髙橋良輔作品だ」とわかるようにするためにはどうしたらいいかといえば、オープニングとエンディング、それから次回予告であると。

G:
ああー、なるほど、そういう意味で!

髙橋:
いわば、包装紙です。もちろん中身が大事ですけれど、包装紙は僕がデザインしますと。でーんと真ん中に「髙橋」印を押すわけです(笑)

G:
(笑)

髙橋:
夜間部に行っていたころ、コピーライターになることも目線に入っていたので、短い文章をいくらでも何でも書けるというのがあるので、次回予告も書くと。文章はかなり人に対して圧力が強いですから。ただ、ずるいといえばずるいですよね、「髙橋良輔風」の味付けを最後にやっているので(笑)

G:
サンライズワールド掲載の連載の中で、業界で生き抜いていく秘訣として「多きに付かない」「ハヤリを追わない」の2つを挙げられていて、「多きに付かない…はもちろん人の意見を聞かないということでなく聞いても大勢に流されないとすることであり、ハヤリを追わない…は無意味な競争を避けるためである」とのことだったのですが、髙橋監督はいま「ハヤリ」をどういうものだと捉えていますか?

髙橋:
今現在のものは……わかりません(笑)

G:
!(笑)

髙橋:
ただ、生き抜いていく秘訣としてその2つを挙げたのは、僕はアニメの監督を初めて担当したのが『ゼロテスター』で、その後、『サイボーグ009』や『太陽の牙ダグラム』とやりました。そのあたりは成功した作品といえるんですけれど、僕としては、同時期にもっと素晴らしい作品があって参ったなと思っているんです。僕は本当はこの世界の人間じゃないのではないかとすら思ったところがあるんです。

G:
え!?

髙橋:
もっとも極端な出来事が『ガンダム』です。富野由悠季さんは僕より年上ですが、虫プロダクションには同期入社で、それこそ、ガンダムを作る前の富野さんと僕は、一緒に業界をうろうろとしている監督で、それほど目立った存在ではなかったんです。ところが、その富野さんがガンダムを作っちゃった。見てみたら素晴らしい作品で、先輩たちからは「お前もやるんだ」と、同じ時期に土俵に登るように言われて……。「どうしよう、これはできない」と思いました。

G:
なんと……。

髙橋:
『ガンダム』は、おそらく初めて、ロボットがちゃんと存在するものとして描かれていたんです。それまでのロボットというのは、天才科学者が研究所で作ったもので、何の目的で作ったかはわからないけれど、攻めてきた敵と戦うものでした。ところがガンダムは、戦争の中で兵器として存在するロボットであり、工業製品なんです。きっと、製造にあたっては予算が組まれているし、出所もはっきりしています。それで「もう夢物語みたいなものはできない」と思ったので、自分がやれと言われたロボットものも兵器として描くことになったんです。

G:
なるほど。

髙橋:
ガンダムはホワイトベースから「アムロ、行きます」って出て行きますけれど、あれはまず、海軍のかっこよさがあります。そして、戦う中では空軍のかっこよさがあります。軍隊の三軍のうち、海軍と空軍をガンダムで描かれてしまって……。当時、『愛と青春の旅だち』という映画では、士官候補生が訓練を受けている脇に、工場に勤めている女の子たちが群がって将来の結婚相手を探していて、最後には迎えに来ないと思っていた相手が真っ白の軍服でやってきてお姫様抱っこで連れて行くって、もうめちゃくちゃかっこいいんですよ。女の人から言わせると「冗談じゃない」という話だったかもしれませんが、軍隊もののかっこよさが描かれていました。


髙橋:
それをやられてしまっては、血と汗とほこりにまみれた陸軍しかない。でも、血と汗とほこりの陸軍には、その武骨なかっこよさもある。「なるほど、これは僕に合っている。競合もしないし、これにしよう」となったわけです。

G:
それで『太陽の牙ダグラム』『装甲騎兵ボトムズ』といった流れの作品が生まれていったと……。

髙橋:
富野さんが隣で仕事をしているわけだから、一緒ではダメなんです。富野さんという人は、体制の中で自分の位置を決める人です。対して僕は、組織の中での出世や社会の中でどういう存在になっていくかではなく、個人がどう生きていくか、「ここで生きられたらいいな」と。圧迫されることなく、指導性も持たなくてよく、自由度が高い。その組織の支援は受けられないので、個が相当強くなければ認められない。その結果として「ハヤリはやらない」となったわけです。

G:
なるほど、大変納得しました。そういう目線で考えると、髙橋監督は『ザ・ファブル』の殺し屋という立場には共感する部分があったりするのでしょうか?


髙橋:
むしろ、親和性を感じるのは原作者の南さんですね。漫画家というのは、アシスタントがいるにしても、基本的には1人ですべてをまかなわなければいけない仕事です。なおかつ、その中でも描いている世界が、ちょっと偏った世界なのですが、その偏り方が素晴らしいからあれだけの人気作品になっているのだと思います。そういう点では、自分がやってきたことと親和性があるのではないかと感じていて、オファーがあるならぜひ本作を手がけたいと考えていました。

G:
これこそ、髙橋良輔監督が手がけるべくして手がける作品だったということだったのですね。少し作品から離れた部分まで突っ込んでしまいましたが、いろいろお話しいただきありがとうございました。

髙橋:
はい、ありがとうございました。

アニメ『ザ・ファブル』は日本テレビ系にて全国放送中。また、ディズニープラスにて全話見放題・独占配信が行われているほか、講談社YouTubeチャンネル「フル☆アニメTV」での期間限定無料配信、個別課金による配信もあります。


フル☆アニメTVでの配信スケジュールは以下の通りです。

1~3話:2024年4月28日(日) 18:00~
4話:2024年4月28日(日)18:00~5月5日(日)17:59
5~8話:2024年5月26日(日)18:00~6月2日(日)17:59
9~12話:2024年6月23日(日)18:00~6月30日(日)17:59
13~16話:2024年7月21日(日)18:00~7月28日(日)17:59
17~20話:2024年8月25日(日)18:00~9月1日(日)17:59
21~25話:2024年9月29日(日)18:00~10月6日(日)17:59

【1~3話】ザ・ファブル 見逃し特別配信! #公式アニメ - YouTube


【4話】ザ・ファブル 2024年5月5日(日)17:59まで 期間限定イッキ見!【公式アニメ全話】 - YouTube

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in インタビュー,   動画,   アニメ, Posted by logc_nt

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