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Amazonが一部の実店舗でレジなし精算が可能な「Just Walk Out」を廃止

by Ted Eytan

店から商品を持ち出すだけで自動的に決済するAmazonのテクノロジー「Just Walk Out」が食料品店から撤去され始めていることがわかりました。カメラで顧客の動きを監視することに膨大なコストがかかっていたことが原因で、今後は顧客に商品のスキャンを任せる「Dash Cart」が採用される見込みです。

Amazon Ditches 'Just Walk Out' Checkouts at Its Grocery Stores
https://gizmodo.com/amazon-reportedly-ditches-just-walk-out-grocery-stores-1851381116


Amazon gives up on no-checkout shopping in its grocery stores - The Verge
https://www.theverge.com/2024/4/2/24119199/amazon-just-walk-out-cashierless-checkout-ending-dash-carts

Just Walk OutはAmazonが開発したテクノロジーで、顧客は入店時にQRコードをスキャンするだけでレジでの決済をスキップできます。このテクノロジーは衣料品店や食料品店に導入されていましたが、今後はAmazon直営の生鮮スーパー「Amazon Fresh」から段階的に撤去されるとのことです。


一見するとJust Walk Outは完全に自動化されたシステムのように見えますが、実は人間が目視で監視して決済を補助するという非常にアナログな手法が採用されていました。報じられたところによると、膨大な数の精密機器と、1000件の買い物に対して平均700件の人間のチェックが必要だったそうで、技術としてはあまり洗練されたものではなかったようです。少なくとも1000人を超えるスタッフが監視のために働いていて、人の手で作業が行われることにより決済の遅れや誤りが多発したほか、プライバシー上の懸念も生じていました。

衣料品の場合だと、商品にタグを取り付けるなどの仕組みを導入することで追跡がより簡単になります。実際、Amazonはタグで商品を管理する技術を開発しています。

試着してそのまま帰れるレジなし衣料品店システムをAmazonが開発 - GIGAZINE


ところが、食品だとそう簡単にはいきません。Amazonは機械学習を用いるなどして商品と顧客を紐付ける精度を上げる努力を続けていましたが、やはり増大するコストがネックになったようで、Amazon FreshからJust Walk Outを撤去する意向を示したとのことです。

Just Walk Outに代わって導入されるのが、「Dash Cart」というテクノロジーです。Dash Cartは商品のスキャン機能を備えたショッピングカートのことで、同様にレジでの決済をスキップすることができます。Dash Cartは2020年に登場し一部の実店舗へ試験的に導入されていて、Amazonが2024年後半にAmazon Freshの店舗を拡大するのに伴い、全面的にDash Cartが導入される見込みとのことです。


なお、Amazonの実店舗で自動決済を利用できるのはAmazon会員だけであるため、今後Amazon FreshにはAmazon会員でない人のためにセルフチェックアウトカウンターが設置される予定とのことです。

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in ネットサービス,   ハードウェア, Posted by log1p_kr

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