Spotifyから音楽業界への支払いが過去最高額になって集まった疑問にダニエル・エクCEOが直接回答
Spotifyの音楽業界への支払額が2023年分は90億ドル(約1兆3550億円)超と、過去最高になったことが報告されています。その中でもインディーズの伸びが大きく、ほぼ半分の45億ドル(約6780億円)分はインディーズ音楽によるものだったそうです。額が大きかったこともあり、報道で広く取り上げられ、多くの疑問が寄せられたとのことで、Spotifyのダニエル・エクCEOが直接回答してくれています。
Spotify paid out a record-breaking $9 billion to the music industry in 2023. But I got a lot of questions on if this only benefits the big artists. The answer: nearly half, $4.5bn was generated by independent artists. This is a major shift for the industry, showing the changing… pic.twitter.com/eNEPUMD8ss
— Daniel Ek (@eldsjal) February 27, 2024
最初に挙げられた話題は「Spotifyはアーティストにお金を払っているのか?」という問題。
エクCEOは、アーティストへ個別に支払っているのではなく、レコード会社や出版社といった著作権管理団体に支払っていると回答しました。時に、「Spotifyからお金が支払われない」というグチをSNSなどで発信している人がいることはエクCEOも知っているそうですが、これはアーティストらとレコード会社などの著作権管理団体との契約次第なので、Spotifyとしてはなぜそうなっているかを特定することは難しいとのこと。
ただ、Spotifyが音楽業界にどんどんお金を還元することによって、業界は成長するので、アーティストは恩恵を受けていると考えられます。
しかし、Spotifyで収益が出ていても不満があるというアーティストの声もある現実に、エクCEOは「音楽で食べていけるようになったアーティストが年々増加している事実がある一方で、音楽で成功するのを目指すアーティストも増えているため」と説明しました。
たとえば、サッカー人口は数億人規模ですが、プロとしてサッカーで生活できている人はその中のわずかです。音楽も同様で、「音楽をしている」という人は多数いるものの、その中で音楽のプロとして生活していける人はさすがに数百万人はいないというわけです。
「では、成功しているのはスーパースターだけ?」という疑問に、エクCEOは「Spotifyが2023年に音楽業界に支払った90億ドルのうち半分の45億ドルは独立系、インディーズの人たちで、多くはSpotifyで成功しつつある人たちです。音楽のみで生活できるようになった人も出てきていて、我々はとても誇りに思っています」と答えました。
Spotifyが2016年から行っている「Fresh Finds」の取り組みはアーティスト育成の登竜門となっており、30の異なるプレイリストで数万人のアーティストが見いだされたとのこと。
Fresh Finds - playlist by Spotify | Spotify
https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DWWjGdmeTyeJ6
なお、Xユーザーのデア・オブサンジェ氏は「Spotifyは売上の70%をレコード会社などに支払っています。アーティストがSpotifyからの収入に文句を言うとき、相手はレコード会社であって、Spotifyが行っている収入配分に文句を言っているわけではありません」と情報を補足しています。
Spotify pays out 70% of its revenue to record labels. When artists complain about what they make from Spotify, they’re really complaining about the contracts they have with the record labels not how Spotify shares revenue. https://t.co/IX2eIxf62F
— Dare Obasanjo???? (@Carnage4Life) February 29, 2024
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