Spotifyが「アーティストへの公正な報酬分配を求める法案」を可決した国で撤退を宣言
ウルグアイで「楽曲制作者への報酬分配を求める法案」が可決されたことを受けて、音楽配信サービスのSpotifyがウルグアイでのサービス終了を宣言しました。
Spotify Threatens to Pull Out of Uruguay If Changes to Copyright Law Proceed
https://www.bloomberglinea.com/english/spotify-threatens-to-pull-out-of-uruguay-if-changes-to-copyright-law-proceed/
Spotify ‘to phase out its service in Uruguay’ from January 1, 2024 over music copyright law changes - Music Business Worldwide
https://www.musicbusinessworldwide.com/spotify-to-phase-out-its-service-in-uruguay-from-january-1-2024-over-music-copyright-law-changes/
ウルグアイでは、著作権関連法に「楽曲が複製された際にパフォーマーが金銭的報酬を得られるプラットフォームに『SNS』および『インターネット』を追加する」「作詞者、作曲者、パフォーマー、監督、脚本家は楽曲やオーディオビデオを提供するために締結したすべての契約において公正かつ公平な報酬を得る権利を有する」といった条項を追加する修正案が2023年10月に可決しました。
Spotifyは法案が審議中であった2023年8月時点で「法案が可決すれば音楽配信サービスに追加の支払い義務が生じる」と主張し、「法案が可決すればウルグアイでのサービスを終了する」と宣言していました。そして、Spotifyは法案可決後の2023年11月20日に改めてウルグアイでのサービス終了を宣言しました。
Spotifyの広報担当者は「Spotifyは音楽配信で得た収益の70%をアーティストに分配しています。音楽ストリーミングサービスによってウルグアイの音楽産業は2022年だけで20%成長しました」とウルグアイの音楽産業に対する貢献をアピールしつつ、「ウルグアイの著作権関連法修正案は変更点が不明瞭で、Spotifyからアーティストへ支払う必要のある金額が倍増する可能性があります。(修正法が施行されれば)我々のビジネスは持続不可能になるでしょう」と述べて修正案の可決を非難しています。
なお、Spotifyのウルグアイでのサービスは2024年1月1日から段階的に廃止され、2024年2月までに完全に終了する予定です。
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