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古い楽曲を140年以上も保護する著作権法案がアメリカ上院を通過、法律として施行される見込み


1972年以前の一部の音楽に対して2067年までの著作権保護を与える改正著作権法案がアメリカの上院を通過しました。法案は下院での承認、大統領の署名を経て、正式に施行される予定です。

Music Modernization Act Passes in Senate With Unanimous Support | Billboard
https://www.billboard.com/articles/business/8475876/music-modernization-act-passes-senate-unanimous-support

アメリカ上院で「Music Modernization Act(音楽近代化法:MMA)」法案が満場一致で可決、承認されました。MMAは、音楽がストリーミングサービスなどで消費される時代背景を踏まえて要請されていた著作権法の改正です。

音楽ストリーミングサービスにおいては、作者不明の楽曲などの配信において著作権を保持すると主張する第三者との間で、著作権侵害に関する訴訟がたびたび行われており、現代的な制度構築の必要性が叫ばれてきました。MMAでは従来の「mechanical rights」と呼ばれる作曲家のライセンスを管理するシステムを刷新して、アメリカの著作権法で保護されるすべての音楽をカバーする全米データベースを作成して、ライセンス業務がスムーズに行われることが目指されています。


MMA自体は音楽配信業者だけでなく、作曲家、レーベル、デジタル著作権団体から支持されており、音楽ストリーミングサービスを利用するユーザーの利便性が高まるという評価がされています。しかし、mechanical rightsの対象外となっている1972年以前の古い楽曲をどのようにするかが問題として残っているため、新たに「CLASSICS Act」と呼ばれる法によって、いまだパブリックドメインになっていない1923年から1972年までの古い楽曲については、1972年から著作権法の最大保護期間である95年を一律に適用した「2067年まで保護を保障する」とする解決策が提案されていました。例えば、1923年に発表された音楽の場合、2067年まで保護期間ということで144年間の保護を受けるということになります。

CLASSICS Actについては、潜在的な紛争のリスクを取り払われるという点で一定のメリットがあるものの、大学や独立系のネットラジオ局などの小規模な音楽配信者にとって不利益になってしまうというデメリットもあるため、「1972年以前の楽曲のパブリックドメン化までの期間を不当に延長するものだ」として電子フロンティア財団などから批判が挙がっていました。

結局、上院ではCLASSICS Actを含む形でのMMA法案が承認されたため、古い楽曲が140年以上という異例の長期間、著作権保護を受けるということになりそうです。MMA法案は修正部分について審議するため再び下院に送られますが、修正前のMMA法案は2018年4月に下院でも圧倒的多数で可決されていることから、再承認されるのはほぼ確実とみられています。MMA法案は下院の承認、大統領の署名を経て法律として成立する見込みです。

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