「Microsoftが2018年にBingをAppleに売却しようとしていた」ことがGoogleの裁判所提出書類から明らかに
2023年9月に経済紙のBloombergが「Microsoftが2020年頃にBingそのものをAppleに売却することを検討していた」と報じましたが、Googleは「Microsoftが2018年にBingをAppleに売却しようとしていた」と裁判所に提出した書類の中で主張しています。
Google says Microsoft offered to sell Bing to Apple in 2018
https://www.cnbc.com/2024/02/24/google-says-microsoft-offered-to-sell-bing-to-apple-in-2018.html
Microsoft tried to sell Bing to Apple in 2018, according to Google court filings - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2024/02/24/microsoft-sell-bing-to-apple/
アメリカ司法省は、Googleの親会社であるAlphabetがインターネット広告市場における反トラスト法(独占禁止法)に違反しているとして、同社を提訴しています。Googleがこの訴訟に関する証拠として2024年2月初頭に裁判所に提出した書類が、2月23日に公開されました。この書類の中で、Googleは「Microsoftが2018年に自社製検索エンジンのBingをAppleに売却するべく申し出た」と主張しています。
この提出書類には、「Microsoftは2009年、2013年、2015年、2016年、2018年、2020年の6度にわたり、Appleに対してBingをSafariのデフォルト検索エンジンにしないかと売り込んだものの、その度にAppleはBingの品質上の問題を理由に提案を断った」と記されています
Googleによると、Appleは6度の提案に対してその都度Bingの品質をGoogle検索と徹底的に比較・検討したとのこと。そして、毎回「Google検索がSafariユーザーにとって優れたデフォルトの選択肢である」と結論付け、Microsoftの提案を断った模様。
また、Microsoftは2018年のタイミングでBingをAppleに売却するか、MicrosoftとAppleでBing関連の合弁会社を設立することを提案していたとされています。ただし、Appleのサービス担当ヴァイスプレジデントであるエディ・キュー氏は、「Microsoftの検索品質、検索分野への投資などはすべてまったく重要ではありません。そのためすべての水準が低くなっています。つまり、検索の品質自体もそれほど優れていません。また、MicrosoftのBingへの投資はGoogleのGoogle検索への投資レベルに達していません。広告組織やマネタイズの仕方もあまりよくありません」と語り、Microsoftからの提案を断ったそうです。
なお、GoogleによるとMicrosoftが2009年に立ち上げたBingには、これまでに約1000億ドル(約15兆円)もの資金が費やされているそうです。
Googleが裁判所に提出した書類の内容を最初に報じたCNBCは、GoogleとMicrosoftの両社に今回の件についてコメントを求めていますが、記事作成時点ではどちらからも返答は得られていません。
なお、統計ツールのStatcounterによると、2024年1月時点での検索エンジンシェアは1位がGoogle(91.47%)で、2位がBing(3.43%)です。CNBCによると、2023年第4四半期(10~12月)におけるMicrosoftの検索・ニュース広告の売上が32億ドル(約4800億円)であったのに対して、Googleの同分野の売上は480億ドル(約7兆2000億円)だったとのことです。
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