16歳未満の子どもがSNSを始めるのに親の同意が必要になるという法律の施行を連邦判事が阻止
SNS運営企業に対し、16歳未満の子どもを受け入れる際は親へ同意を求める通知を送信するよう義務づけた法律の施行がオハイオ州で阻止されました。施行反対派は新法が憲法違反であるとの考えを示しており、今回の決定を歓迎しました。
NetChoice Halts Ohio Law: 4th Ruling Stopping Laws That Fail Kids, Parents & Constitution - NetChoice
https://netchoice.org/netchoice-halts-ohio-law-4th-ruling-stopping-laws-that-fail-kids-parents-constitution/
US judge blocks Ohio law restricting children's use of social media | Reuters
https://www.reuters.com/legal/us-judge-blocks-ohio-law-restricting-childrens-use-social-media-2024-02-12/
Ohio's social media parental consent law blocked by judge
https://www.nbc4i.com/news/politics/ohios-social-media-parental-consent-law-blocked-by-judge-as-likely-unconstitutional/
SNSが16歳未満の子どもの精神へ多大なる影響を与えるという調査結果を基に、アメリカの一部議員が子どものSNS利用を制限する法律の施行を推し進めています。一方でテクノロジー企業が加入する業界団体は「子どものプライバシーが保護されない」「憲法違反である」として反対運動を起こし、一部では訴訟にまで発展しています。すでにルイジアナ州などでは同様の法律が制定されていたのですが、オハイオ州では連邦判事が阻止しました。
オハイオ州のアルジェノン・マーブリー連邦判事は「親の同意がない限りすべてのアクセスをブロックするという手段は、子どもたちへの害を軽減するものとしてはあまりにも効果が薄い」と指摘。
マーブリー判事は以前に業界団体のNetChoiceが訴訟を起こしていたため法制化の一時停止命令を出していたのですが、今回新たに、訴訟が続く間は無期限に保留するとの決定を下しました。
この決定を受け、法律の施行を推し進めていたオハイオ州知事マイク・デワイン氏と副知事ジョン・ハステッド氏は「ソーシャルメディアが未成年者の精神的健康に悪影響を及ぼしているという圧倒的な証拠があるのに、今回の判決を下したことには失望した」との声明を発表。今後も引き続き取り組みを強化していく姿勢を強調しています。
NetChoiceの法律ディレクターを務めるクリス・マーチーズ氏は「(宗教・言論・出版の自由を守る)合衆国憲法修正第1条を支持する地方裁判所の思慮深い意見と、子どもたちの言論の自由およびプライバシーの権利侵害を防止する決定に感謝する」とコメント。カリフォルニア州やアーカンソー州で同様の法律を巡って勝訴していることを背景に、オハイオ州でも引き続き法廷闘争を繰り広げるとの構えを示しました。
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