Amazonプライム・ビデオに広告が追加され追加料金を払わないユーザーはDolby Vision&Dolby Atmosのサポートまで廃止されてしまう
Amazonの映像ストリーミングサービスであるAmazonプライム・ビデオは、一部の国で広告を導入し始め、Amazonプライムの会費に加えて追加の料金を支払うことで広告を回避できるようにしています。この「広告ありのプライム・ビデオユーザー」が、告知なしでハイダイナミックレンジ(HDR)映像フォーマットのDolby Visionと、立体音響フォーマットであるDolby Atmosのサポートを廃止されたことが明らかになりました。
Amazon Prime Video entfernt Dolby Atmos und Dolby Vision im werbefinanzierten Abo - 4K Filme
https://www.4kfilme.de/amazon-prime-video-entfernt-dolby-atmos-und-dolby-vision-im-werbefinanzierten-abo/
Prime Video cuts Dolby Vision, Atmos support from ad tier—and didn’t tell subs | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2024/02/prime-video-cuts-dolby-vision-atmos-support-from-ad-tier-and-didnt-tell-subs/
プライム・ビデオに広告が追加された国では、Amazonプライムユーザーは「広告を視聴する」か「追加料金を支払う」かのいずれかを選択する必要があります。「広告を視聴する」ことを選択した場合、配信コンテンツでDolby VisionとDolby Atmosのサポートが廃止されていることが、ドイツのハイテク専門メディアである4K Filmeの報道で明らかになりました。
Dolby VisionとDolby Atmosのサポートが廃止されたことで、広告ありのプライム・ビデオユーザーはHDR10+とDolby Digital 5.1のサポートに限定されることとなります。
4K FilmeはLGとソニーの両方のテレビでDolby VisionとDolby Atmosのサポートが廃止されていることを確認しており、経済紙のフォーブスはTCLエレクトロニクス製のテレビでDolby VisionとDolby Atmosのサポートが廃止されていることを確認しています。
フォーブスは「広告なしのアカウントでは、Dolby VisionとDolby Atmosでコンテンツが再生されていることを示す独自のポップアップが表示されます。一方、広告ありのアカウントの場合、Dolby VisionとDolby Atmosのポップアップは頑なに表示されません」と報じました。
Amazonはプライム・ビデオで一部のアカウントがDolby VisionとDolby Atmosのサポートを廃止されていることについて何の説明も行っていませんが、海外メディアのArs Technicaは「(Dolby VisionやDolby Atmosの開発元である)ドルビーラボラトリーズに支払うライセンス料を節約しようとしている可能性がある」と指摘しています。
なお、Amazonは2016年にプライム・ビデオで初めてDolby Visionをサポートしましたが、2017年にはHDR10+を支持するためにDolby Visionのサポートを廃止。しかし、2022年には再びDolby Visionを一部のコンテンツでサポートしていました。
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