サイエンス

ピザやハンバーガーなどのジャンクフードをよく食べる生活がアルツハイマー病の発症リスクと関連しているという研究結果


認知症の60~70%を占めるアルツハイマー病を予防・治療する上では、発症リスクに関わる要因を理解することが非常に重要です。オーストラリアの研究チームが行った新たな研究では、「ハンバーガーやピザ、ソーセージ」などの加工食品をよく食べることがアルツハイマー病の発症リスクと関連していることが明らかになりました。

Equilibrium of Dietary Patterns Between Alzheimer's Disease Patients and Healthy People: A Comprehensive Analysis Using Multiple Factor Analysis and Classification Modeling - PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38189748/


Favourite Aussie foods linked to Alzheimer's | Bond University | Gold Coast, Queensland, Australia
https://bond.edu.au/news/favourite-aussie-foods-linked-to-alzheimers

A Daily Diet of Burgers And Pizzas Could Be Putting You at Risk of Alzheimer's : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/a-daily-diet-of-burgers-and-pizzas-could-be-putting-you-at-risk-of-alzheimers

オーストラリアのボンド大学グリフィス大学の研究チームは、アルツハイマー病だと診断された108人のオーストラリア人と健康な330人のオーストラリア人の食習慣を比較し、アルツハイマー病患者にみられる食事パターンを特定する研究を行いました。

その結果、アルツハイマー病だと診断された被験者は、健康な被験者より頻繁にミートパイ・ソーセージ・ハム・ピザ・ハンバーガーといった加工肉やジャンクフードを食べる傾向がみられました。また、アルツハイマー病の被験者はオレンジ・イチゴ・アボカド・トウガラシ・キュウリ・ニンジン・キャベツ・ホウレンソウといった果物や野菜の摂取量が少ないことや、赤ワインや白ワインの摂取量も少なかったことが報告されています。

アルツハイマー病は記憶力や認知機能が低下し、徐々に身体機能も失われて最終的には死に至る病です。先進国では高齢化が進むにつれて認知症患者が増えており、日本では2025年に65歳以上の認知症患者数が約675万人に達し、割合にすると65歳以上の約5.4人に1人が認知症になるとみられているため、どんな要因がアルツハイマー病のリスクと関連しているのかを知ることは非常に重要です。


もちろん、アルツハイマー病の発症リスクに関連するのは食生活だけではなく、運動や睡眠の習慣、生活する環境、遺伝的要因など考慮するべき要因は多岐にわたります。また、食生活がアルツハイマー病の病態とどのように結びついているのかも不明です。

しかし、食生活がアルツハイマー病や認知機能と密接に関わっていることは以前から知られており、不健康な食事がアルツハイマー病のリスクを高める何らかの健康状態を引き起こす可能性もあるとのこと。

ボンド大学の生物統計学者であるタヘラ・アフマド氏は、食生活がアルツハイマー病の発症リスクと関連していることを示す今回の研究結果が、若者が将来の認知機能を守るためにより健康的な食生活を取り入れる助けになることを願っています。

アフマド氏は、「脳におけるアルツハイマー病の発症は中年期に始まり、その影響は若い頃からの不摂生なライフスタイルに起因する可能性があります。ジャンクフードや加工食品ばかりを食べるのではなく、葉物野菜や有機食品、家庭料理を食べることの利点に対する若者の意識を高めることが必要不可欠です」とコメントしました。

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in サイエンス,   , Posted by log1h_ik

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